研究課題
植物にとって、根からの養分の吸収や気孔での蒸散・ガス交換は、その生育のために不可欠である。また、これらの活動には、多くのイオン輸送体が関与している。中でも、カリウムチャネルは、植物の全身で機能している極めて重要なイオンチャネルである。一般に、塩ストレス下で植物が生育する上で、細胞内からのカリウム流出は、細胞外からのナトリウムの流入と同様に極めて重要であり、その流出入には、カリウムイオンチャネルを含むイオン輸送体が関与している。種々のストレスが引き起こす酸化による傷害は、タンパク質や脂質などの生体成分の酸化や過酸化を介して、細胞の機能不全を引き起こす。これまでに、動物のイオンチャネルの酸化は、重篤な疾病につながることが知られている。しかし、植物のイオンチャネルは、植物の生長やストレス耐性に重要であるにも関わらず、その酸化や酸化による機能不全に関する報告はほとんどない。本研究では、塩ストレスによって蓄積するメチルグリオキザールに着目し、その影響について精査した。具体的には、塩ストレスによるメチルグリオキザールの蓄積、イオン輸送タンパク質や種々の酵素への影響、メチルグリオキザールによるタンパク質の修飾について調べた。塩ストレスとメチルグリオキザール蓄積との関係ならびに、イオン輸送タンパク質や種々の酵素への影響(Biosci.Biotechnol.Biochem.,2012、J.Plant Physiol.,2012、Plant Biol.,2012)を明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
論文として、成果を報告できた。
問題点もなく、計画通り推進する。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Biosci.Biotechnol.Biochem.
巻: 76 ページ: 617-619
doi:10.1271/bbb.110885
J.Plant Physiol.
巻: (in press)
doi:10.1016/j.jplph.2012.02.007
Plant Biol.