研究課題
基盤研究(B)
リポ蛋白質の外膜への輸送は、5種類のLo1因子がバケツリレーのように協調してリポ蛋白質を受け渡す反応であり、ATPなどのエネルギーは内膜からの遊離時にのみ必要となる。Lo1因子間の相互作用が、因子に結合したリポ蛋白質によってどの様に影響を受け輸送反応が効率良く進むかを調べた。方法はLo1AとLo1B間の相互作用が「口移し」であることを明らかにした光架橋法を採用した。リポ蛋白質は、Lo1CDEによって内膜から遊離する時はLo1Eとのみ結合していること、一方Lo1Cは、Lo1Aとの相互作用部位であることを光架橋性アミノ酸アナログをLo1Aだけでなく、リポ蛋白質pa1に導入して確定した。Lo1CとLo1Eの構造は似ているが、Lo1Cがリポ蛋白質と相互作用することは無かった。また、Lo1AとLo1Eの相互作用は調べた条件下では観察されなかった。Lo1CとLo1Eの役割が分担されていることを示すものである。Lo1CとLo1Aは、Lo1AがPa1を結合するとまったく相互作用しなくなった。すなわちリポ蛋白質の内膜からの遊離反応は一方向的であることが相互作用の解析から明らかになった。pa1のアミノ末端の約10アミノ酸残基がLo1Eと相互作用する領域であった。Lo1AとLo1B間の相互作用は、Lo1Aにpa1が結合しているかどうかで影響されることはなかった。ペリプラズムのLo1Aと外膜にアンカーしたLo1B間の相互作用は強く、pa1はより安定な結合が形成されるLo1B側に移動しやすいと考えられる。
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Escherichia coli and Salmonella ; cellular and molecular biology
巻: Chapter4.3.7(online journal)
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