研究課題/領域番号 |
22380055
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
越智 幸三 広島工業大学, 情報学部, 教授 (70353985)
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キーワード | 微生物遺伝・育種 / 休眠遺伝子 / 放線菌 / RNAポリメラーゼ |
研究概要 |
平成23年度は、最終目標の達成に向けて「変異型RNAポリメラーゼの利用」、「天然の変異型RNAポリメラーゼ遺伝子の利用」、「希土類元素の利用」の三つの切り口から研究を遂行した。 1.変異型RNAポリメラーゼの利用:数多くのリファンピシン耐性変異株をスクリーニングすることにより、エバーメクチン生産菌Streptomyces avermitilisのrif変異種を16種、カスガマイシン生産菌Streptomyces kasugaensisのrif変異種を22種、ナイシン生産Lactococcus lactisのrif変異種を34種とり揃えることに成功した。 2.天然の変異型RNAポリメラーゼ遺伝子の利用:広島県を中心に、北海道から沖縄に至る日本全国の土壌サンプルを用いて、変化にとんだリファンピシン濃度のプレートを用いた選択法により、800株余りのリファンピシン耐性株(大半は放線菌)を取得した。過去の経験からみて、これた耐性株の大半は、rpoB遺伝子に複数(3~4)の変異を有するいわゆる「天然の変異型RNAポリメラーゼ遺伝子」と考えられる 3.希土類元素の利用:23年度は希土類元素の枯草菌(Bacillus subtilis)の物質生産に対する効果を検証した。その結果、枯草菌アミラーゼとパシリシン生産に対する希土類(スカンジウム)の促進効果を生理学的かつ分子生物学的に解明することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スクリーニングおよび生理学的な解析は予期した以上に進展しているが、大学の設備等の問題もあって、分子生物学的解析にやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
研究の切り口はほぼ出そろったので、今後は分子生物学的解析に力を注ぎ、研究の深化を図ってゆく。
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