研究課題
KトランスポーターのAtKUP1の遺伝子発現は,塩・乾燥ストレスのセンサーとして知られている転写因子の膜結合型b-ZIPに支配されていることはできなかったが,耐塩性に関与すること,細胞内の陽イオンの恒常性維持に重要であることが示されている。KUPは原核生物から真核生物に存在する輸送体が、アミノ酸構造からの疎水性に基づいて予測されているが実験的な実証がなされていなかった。AtKUP1の構造解析を大腸菌で行うために機能発現を,大腸菌K輸送体変異株に導入して機能相補を本研究で用いるベクターに導入して再確認後,融合蛋白質を作成した。しかし,非常に不安定な大腸菌が出現したことから毒性を示すコンストラクトが見いだされたことから,ホモログタンパク質であるEcKUPで検討することした。レポータータンパク質をKupの推定される膜貫通領域の前後に融合させてトポロジー検索を行ったところ,全てのコンストラクトで発現が確認された。疎水性から推定される膜貫通領域とほぼ同じであることが明らかとなった。耐塩性植物の創生をはかるためには,NaおよびK輸送体の協調的な機能統御が必要となる。オルガネラに存在するこれらの候補輸送体を探るため,ラン藻の機械受容性チャネルと葉緑体のチラコイド膜で機能するKチャネルの存在を明らかにした。これらのホモログ輸送体は,植物のオルガネラにも存在することが推定されており,耐塩性の維持に重要な機能を持つことが予測された。AtHKT1プロモーターにGUS遺伝子を連結した植物のGUS活性を行った。AtHKT1プロモーター5.4kと2.3kのプロモーターは,以前作成されていた0.8kbのプロモーターと比べて,GUS染色の度合いは小さいことが分かった。このことは,プロモーターの-2.3kb~-0.8kbの間に抑制領域が挿入されていることを示唆している。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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