研究課題/領域番号 |
22380062
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木村 誠 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (10204992)
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研究分担者 |
郷田 秀一郎 長崎大学, 工学部, 准教授 (00346587)
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キーワード | 超好熱古細菌 / リボ核タンパク質複合体酵素 / X線小角散乱 / X線結晶構造解析 |
研究概要 |
研究目的 リボヌクレアーゼP (Rnase P)は、前駆体tRNAの5'末端余剰配列のプロセシングを触媒するRNA酵素(リボザイム)である。申請者は、超好熱古細菌(Pyrococcus horikwshii OT3)のRnase P(PhoRNase P)が、触媒活性を持つRNAサブユニットと5種のタンパク質から構成されていることを明らかにした。平成23年度の研究では、以下のことを明らかにした。 1)4種のタンパク質は2種のタンパク質複合体(PhoPop5-PhoRpp30とPhoRop21-PhoRpp29)を形成し、PhoRNAの分子シャペロンとして機能している。 2)5番目のタンパク質乃PhopRpp38は2つのステムループに結合し、PhopRNAの耐熱性を上昇していることを熱力学的解析により明らかにした。 3)PhopRNAの5種のステムループ構造の活性への寄与を検討することにより、いずれも触媒活性には直接寄与していないものの、各ステムループはPhopRNAの構造形成に重要であることを明らかにした。 4)PhopRNAの高次構造モデルを作成するとともに、その溶液構造をX線小角散乱により解析し、PhopRNAの高次構造モデルを検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果の項に記述したように、超好熱古細菌由来リボ核タンパク質複合体酵素・リボヌクレアーゼPの構造機能相関と耐熱性の構造基盤について、新たな情報を提供することが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
1)2種のタンパク質複合体(PhoPop5-PhoRpp30とPhoRpp21-PhoRpp29)のRNAシャペロン活性の分子機構を明らかにするために、2種のタンパク質複合体とオチゴヌクレオチドとの複合体の結晶構造を解析する。 2)タンパク質PhoRpp38は2つのステムループに結合し、PhopRNAの構造を安定化し、Rnase Pの耐熱性を上昇することを明らかにした。超好熱古細菌Rnase Pの耐熱性の分子機構を明らかにするため、PhoRpp38とステムループ複合体の結晶構造を解析する。
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