研究概要 |
FLAG-タグをN末端に付加したAtCSP3遺伝子を構築し,Agrobacteriumを介して,シロイヌナズナにフローラルディップ法で形質転換した.形質転換体はT1世代において,カナマイシン耐性で選抜し,T2世代で分離を解析し,導入遺伝子をホモにもつ系統を分離した.次に,FLAG-AtCSP3,を過剰発現する形質転換体の総タンパク質より抗FLAG抗体を用いた免疫沈降を行った.種々の条件で免疫沈降を行ったが,十分量の相互作用タンパク質バンドを検出することはできなかった.今後は,Anti-FLAGビーズを用いたアフィニティー精製等新たな分離手法の検討およびをFLAG-AtCSP3より多く生産する高発現系統のスクリーニングを行うなど,実験系の再構築が必要である.AtCSP3とPABNlの相互作用部位に関する解析は,酵母ツーハイブリッド法および2分子蛍光相補性検定法を用いて行った.PABNをN末端側領域とRRM-RNA結合ドメインを含むC末端側領域に分けそれぞれをベイトとしてAtCSP3との相互作用をHis栄養要求性並びにβ-ガラクトシダーゼ活性の測定により評価した.PABN全長を用いた場合は,相互作用が両アッセイにおいて検出されたが,ドメイン毎に分割した場合は,N末端側,C末端側いずれもAtCSP3と相互作用を示さなかった.従って,N末端側とC末端側の両方でAtCSP3と相互作用すると考えられた.
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