研究課題/領域番号 |
22380065
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
鈴木 義人 茨城大学, 農学部, 教授 (90222067)
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キーワード | イムノモジュレーション / 抗体 / 細胞膜タンパク質 |
研究概要 |
本研究は、植物原形質膜タンパク質に結合する抗体のサブライブラリーを作成し、これらを植物にランダムに発現させ、各膜タンパク質の機能が抑制された植物を調製することにより、膜タンパク質の機能を解析することを目的としている。 1. ファージ提示型抗体ライブラリーを植物膜タンパク質に対してパニングを行い、硬膜タンパク質抗体の濃縮を行った。このパニングにより、ライブラリーに混入させた抗BRI1抗体の濃縮が期待されたが、結果は安定せず、植物由来のBRI1タンパク質の量と安定性に問題があると考えられた。 2. 得られた抗体プールから、ランダムに選んだクローンを用いて、植物膜タンパク質に対してウェスタンブロッティングをおこなった結果、内生量の多いタンパク質を認識すると考えられるクローンが得られたが、全くシグナルを与えないクローンがほとんどであった。ウェスタンでは変性タンパク質に対する結合反応を見ているため、エピトープの認識に問題がある可能性もあり、この結果から、特別な判断は行わないこととした。 3.得られた抗体サブライブラリーの抗体遺伝子部分を増幅し、植物発現用ベクターへの移行を行い、更に植物導入用にアグロバクテリウムへの移行を行った。 ・抗BRI1抗体導入植物について、矮性形質の認められたラインを中心に、形質を調べた。矮性形質は、遺伝することが確認されたが、根の伸長に関する感受性など、ブラシノステロイドとの関連性を特に示す形質は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗体ライブラリーから膜タンパク質に特化したサブライブラリーを調製する段階で、目標が達成されていか否かの評価に困難がある。評価に使用することを考えたBRI1抗体は、BRI1自体が植物からの調製が困難なタンパク質であり、予定していた評価を達成できてないため、膜タンパク質画分へ結合するファージの濃縮作業に問題がある可能性と、そこには問題がなく、そのまま進めも良い可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
サブライブラリーの質の可否は判断しないままに、当初の目的に向けた作業を続けると共に、ランダムな抗膜タンパク質抗体とは別の、特定の機能タンパク質に対する抗体を用いたイムノモジュレーション研究を並行して進める。
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