前年度までは難消化性糖質の単回経口投与によるGLP-1分泌への影響を検討したが、新たに難消化性糖質の継続摂取が、GLP-1の産生、分泌にどのように影響するかをラットを用いて検討した。また、その際に経口投与したペプチド(トウモロコシペプチド)に対するGLP-1分泌に影響があるかを検討した。 <トウモロコシペプチド原料の検討> 2年目においてそれまで購入していたトウモロコシタンパク質Zeinの性状の変化ならびにこれより調製したトウモロコシペプチドの生理活性に低下が見られたことから、原材料として用いていたZeinを新たな製造メーカーより購入し、これまでと同様にトウモロコシペプチドを調製した。そのGLP-1分泌作用を培養細胞ならびに実験動物(ラット)にて検討したところ、培養細胞、ラットへの経口投与いずれにおいてもGLP-1分泌促進作用を示した。また、これに伴い、インスリン分泌が促進され、血糖上昇の抑制作用も確認された。 <糖尿病モデル動物でのトウモロコシペプチドの作用の検討> 非肥満型2型糖尿病モデルとして知られるGoto-Kakizakiラットを用いて、トウモロコシペプチド経口投与下で耐糖能試験を行ったところ、この病態モデル動物においてもGLP-1分泌を促進し、血糖上昇を抑制することが示された。 <難消化性糖質長期摂取によるGLP-1分泌、産生への影響> 標準飼料の難消化性糖質(セルロース)を水溶性の難消化性糖質{難消化性デキストリン(RMD)、フルクトオリゴ糖(FOS)} に置換して、これを7週間ラットに摂取させたところ、絶食時の血中GLP-1濃度の上昇が観察され、耐糖能も改善することが見いだされた。さらに、RMD、FOS摂取群ではトウモロコシペプチド経口投与に対するGLP-1分泌応答が高まることが明らかとなり、これら難消化性糖質がトウモロコシペプチドの作用を高めることが示された。
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