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2012 年度 実績報告書

腸管バリア損傷・修復機構の多面的解析とその制御による腸管バリア保護食品の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22380076
研究機関広島大学

研究代表者

田辺 創一  広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (90272624)

研究分担者 鈴木 卓弥  広島大学, 生物圏科学研究科, 講師 (30526695)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード腸管バリア / タイトジャンクション / 乳酸菌・ビフィズス菌 / フラボノイド / Th17
研究概要

腸管上皮バリアは、食物や外来異物と体内とを仕切るために極めて重要であり、その制御が崩れることは種々の疾病に繋がる。本研究では、免疫異常による腸管バリア損傷、および乳酸菌や乳ペプチドなどの食品成分による同バリア修復メカニズムを解析するとともに、バリア保護効果を有する食品の開発をめざすものである。得られた研究結果は以下の通りである。
1) カゼインペプチドによる腸管バリア増強効果は、主としてオクルディンの発現上昇によることを、ヒト小腸モデルであるCaco-2細胞におけるマイクロアレイ解析によって明らかにした。
2) 乳酸菌に含まれるリポテイコ酸による腸管バリア修復効果には、リポテイコ酸に含まれるD-アラニンが重要な役割をもつこと、および、乳酸菌の培養条件をコントロールすることで、D-アラニン含量を高めることが可能となることを明らかにした。
3) 腸管バリアに影響をもたらす免疫異常について、とくに炎症に関わるTh17細胞の観点から検討した。Th17関連サイトカインであるインターロイキン(IL)-6によって、バリアが損傷するメカニズムを解析した。さらに、食品成分としてヘスペリジン・ガラクトオリゴ糖・乳酸菌・ビフィズス菌が、炎症性サイトカインであるIL-17の産生を抑制できることを明らかにした。
4) デキストラン硫酸ナトリウム誘導腸炎マウスにおける乳酸菌の腸炎保護効果を確認し、腸管バリア保護やTh17抑制などを中心にメカニズム解析を行った。ビフィズス菌 B. infantisは、腸管における共刺激分子の発現増加を抑制し、Th1/Th17活性化を抑制することによって大腸炎を緩和することを示した。
これらの成果は、食品機能学の発展に具体的に寄与するとともに、乳発酵食品などの「腸管保護食品」の開発基盤となると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Effect of D-Alanine in Teichoic Acid from the Streptococcus thermophilus Cell Wall on the Barrier-Protection of Intestinal Epithelial Cells2012

    • 著者名/発表者名
      Eiji MIYAUCHI et al.
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem

      巻: 76 ページ: 283-288

    • DOI

      10.1271/bbb.110646

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mechanism of protection of transepithelial barrier function by Lactobacillus salivarius: strain dependence and attenuation by bacteriocin production2012

    • 著者名/発表者名
      Eiji MIYAUCHI et al.
    • 雑誌名

      Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol

      巻: 303 ページ: G1029-1041

    • DOI

      10.1152/ajpgi.00003.2012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Short peptide modules for enhancing intestinal barrier function2012

    • 著者名/発表者名
      Soichi TANABE
    • 雑誌名

      Curr Pharm Des

      巻: 18 ページ: 776-781

    • 査読あり
  • [学会発表] 粘膜バリア保護素材の開発的研究

    • 著者名/発表者名
      田辺 創一
    • 学会等名
      日本食品免疫学会シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 招待講演
  • [学会発表] 高度不飽和脂肪酸の乳酸菌代謝産物はCaco-2細胞における腸管上皮バリアの損傷を回復する

    • 著者名/発表者名
      宮本 潤基
    • 学会等名
      日本農芸化学会全国大会
    • 発表場所
      仙台
  • [学会発表] 乳酸菌AYA株に含まれるIgA産生促進物質

    • 著者名/発表者名
      吉田 光
    • 学会等名
      日本畜産学会全国大会
    • 発表場所
      広島
  • [学会発表] 乳酸菌のM2マクロファージ分化促進作用

    • 著者名/発表者名
      竹之下 柳一朗
    • 学会等名
      日本畜産学会全国大会
    • 発表場所
      広島

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公開日: 2014-07-24  

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