研究課題/領域番号 |
22380081
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
富樫 一巳 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (30237060)
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研究分担者 |
松永 孝治 独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター, 研究員 (40415039)
杉本 博之 山口県農林総合技術センター, 林業技術部, 研究員 (00522244)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | マツノザイセンチュウ / 抵抗性 / 毒性 / 媒介昆虫 / IPM / ニセマツノザイセンチュウ / マツノマダラカミキリ / スクリーントラップ |
研究実績の概要 |
毒性の異なる病原線虫(2分離株)の重複感染の効果を明らかにするために,2分離株の比率を1:0,3:1,1:1,1:3,0:1に調整し,抵抗性クロマツの1家系の1.5年生実生苗に接種し,枯死苗から線虫個体群を確立した。それらが昆虫に乗り移る能力に差はなかったが,マツに対するLD50は,強毒性が1/3まで混じる場合,弱毒性単独より有意に小さくなった。毒性の低下した培養線虫の分離株を樹体内で増殖すると,毒性の回復が見られた。元の分離株と毒性の回復した分離株の間で,媒介昆虫に乗り移る能力に違いはなかった。台湾産マツノマダラカミキリ幼虫の一部は,25℃光周期16L8Dの条件下で発育を停止した。それらを10℃,8L16Dの条件下に140-154日間置いたところ,発育を再開し,随意休眠を行うことが示された。さらに,長さ20cmのマツ小丸太で飼育すると,利用可能な餌量(樹皮面積)が減少するにつれて,休眠確率が低下した。つまり,環境条件の悪化に伴って休眠率が減少する現象が初めて見つかった。材線虫病によってマツ林から健全木が完全に失われた時,その翌年に発生する媒介昆虫成虫の個体群密度は8月以後0になった。発生初期の飛翔個体の性比は雄に偏ったが,その後1:1に近づいた。また,大発生の前には媒介昆虫の翼荷重と産卵前期間の間に相関はなかったが,大発生年に産卵された媒介昆虫の産卵前期間は,翼荷重が増加するにつれて短くなった。2012年に抵抗性マツ林で分離された線虫13株を2家系の実生苗に接種したところ,枯死率はマツの家系だけでなく,分離株によって有意に異なった。1株だけの毒性が低かったので,林内の毒性の空間分布について言及することは難しかった。シミュレーションモデルによって,潜伏期間が流行に及ぼす影響は,発病閾値の値に依存して異なることが示された。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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