研究課題/領域番号 |
22380082
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松下 範久 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (00282567)
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研究分担者 |
呉 炳雲 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (10396814)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 森林保護 / ベッコウタケ / ナラタケモドキ / マイクロサテライトマーカー / Terminal RFLP |
研究概要 |
本研究では,わが国の森林や緑化樹木に甚大な被害を及ぼしている樹木病原菌の伝播・繁殖機構を,分子生態学的手法により詳細に解明することを目的とする。平成24年度は,以下の成果が得られた。 1.ベッコウタケの伝播・繁殖様式の解明 べっこうたけ病が蔓延しているイヌエンジュ並木から3本の罹病木を選び,地際から20cmと60cmの部位の円板を採取した。各円板の木口面から2 cm間隔の格子状に材片を採取し,材片中に存在する菌種をrDNA-ITS領域のT-RFLP解析とシーケンシングにより同定した。その結果から,ベッコウタケは地際部または根から侵入した後,心材の中央部や周縁部を上方に伸長しながら材を腐朽させ,その後,周辺部へ広がっていくことが示唆された。さらに,各円板のベッコウタケが検出された部位から10カ所を選び,5遺伝子座のマイクロサテライトマーカーを用いて,材片中のベッコウタケの遺伝子型を同定した。その結果,いずれの供試木からも複数のベッコウタケのジェネットが検出され,そのうちの1ジェネットが樹体内に優占していた。このことから,ベッコウタケは複数回感染し,そのうちの1ジェネットが樹体内に広く蔓延すると推測された。 2.ナラタケモドキの伝播・繁殖様式の解明 ならたけもどき病が発生しているソメイヨシノ並木から1本の枯死木の根株を掘り取り,地際部(直径24 cm)および15本の根(直径3~11 cm)の円板を採取した。採取した各円板の木口面から1と同様の方法で材片を採取し,材片中の菌種を同定した。その結果,根株およびすべての根からナラタケモドキが検出された。したがって,ならたけもどき病により宿主が枯死に至る頃には,ナラタケモドキが根株全体に蔓延しているものと推測された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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