研究課題/領域番号 |
22380090
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平野 恭弘 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (60353827)
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研究分担者 |
檀浦 正子 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (90444570)
山瀬 敬太郎 兵庫県立農林水産技術総合センター, 森林林業技術センター, 主席研究員 (90463413)
谷川 東子 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, 主任研究員 (10353765)
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キーワード | 樹木根 / 地中レーダ / バイオマス / スギ / 根直径 / 非破壊 / 国際情報交換 / スイス・フィンランド |
研究概要 |
地中レーダを用いた樹木根の検出で、検出を妨げる要因の一つに、レーダ探査方向と根の伸長方向が作る角度が挙げられる。すなわち、根の伸長方向と探査方向が直角90度の場合に、レーダ反射が最も強くなり、それらが平行しているすなわち角度0度の場合に最も弱くなる。 このような根の方向性とレーダ探査角度が根の検出精度に与える影響を詳細に検討するため、マサ土実験区を用いたスギ丸太埋設実験を行った。これまでの実験によりスギ丸太はスギ根と同様のレーダ反射波が得られることが明らかになっている。根の方向性と探査角度を15度ずつ変えて、深さ30cmに埋設された直径2-8cmスギ丸太のレーダによる検出画像を解析した。 その結果、角度が45度まで丸太のレーダ反射波が確認できたものの、それより小さい角度になるとレーダ画像上に視覚的に丸太を捕らえることはできなかった。レーダ反射パラメータと角度の関係は、正弦曲線にあてはまることが明らかとなった。 これらの結果から、さまざまな方向に伸張している根は、レーダ探査方向と45度以上の角度があるときにのみレーダにより検出可能であり、さらにそれらの角度が直角でない根については、直角の根よりも過小評価となることが明らかとなった。これらのことは、レーダにより根の検出を行う場合、一方向だけの探査だけでは十分ではなく、垂直二方向すなわち格子状に探査測線を設置することが必要であることを示唆している。このように根バイオマス推定の際に根の伸長方向と探査角度が重要な影響因子の一つであることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科研費前課題で調査されたクロマツ2林分についてレーダ探査のさらなる詳細な解析が進み、本研究で新たにクロマツ2林分の解析も解析を進めている。また、レーダのによる樹木根検出に影響する要因も明らかにしていくことで、レーダを用いた根バイオマス推定の方法を提案することが可能と思われる。
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今後の研究の推進方策 |
レーダの解析に時間がかかるため、新たにレーダ探査を行ったクロマツ2林分の解析を進める必要がある。個体根系レベルでの三次元図化を開始しているが、より現実に近い根系画像作成のためのプログラム作成をする必要がある。
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