研究課題/領域番号 |
22380095
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小松 幸平 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (20283674)
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研究分担者 |
森 拓郎 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (00335225)
北守 顕久 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (10551400)
荒木 康弘 独立行政法人建築研究所, その他部局等, その他 (40435582)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 集成材ラーメン構造 / ラグスクリューボルト / 高張力ボルト / 長孔接合 / 辷り降伏 / 摩擦接合 / 高靱性 / 高剛性 |
研究概要 |
本研究で開発した接合システムは、集成材ラーメン架構の柱と梁を連結する部分、および柱と基礎とを連結する部分に使用するもので、その基本的なメカニズムは通常の高張力ボルトの先孔を特殊な長孔にすることで、高張力ボルトが辷り降伏を起こした後は、荷重の上昇は起こらず、辷り変形のみが進行し、非常に変形能力の高い接合性能を発揮できることを特徴とするものである。この接合システムは職務上の発明として京都大学から特許申請が出され、現在特許公開中である(特開2013-014940・平成25年1月24日、発明者:小松幸平)。実験は柱-梁接合部、柱脚接合部、そしてスパン4.5m、高さ2.7mの集成材門型ラーメン試験体を用いて実施した。その結果、集成材ラーメン架構は地震力に相当する横からの力を受けた場合、高張力ボルト部分が辷り変形を起こし、せん断変形角が1/10radを超える大変形に至っても、部材や接合部では一切破壊せず、なお荷重は上昇する機運さえ示した。荷重を除去した後は高張力ボルトを緩めて元の門型架構に復帰できることも確認できた。この接合システムの特徴は、既往の集成材用接合法をすべてそのまま利用可能であること、接合システムが低コストで製作可能なこと、高張力ボルトの締め付けトルクを適切に設計することで、明確な降伏耐力が設定可能であること、一端高張力ボルトが辷り始めると、大きな摩擦エネルギーを消費し、極めて高いエネルギー吸収能力を発揮すること、そして、大地震が終った後、添え板の高張力ボルトを緩め、柱を立て直して部品を交換することで、ラーメン架構を再利用可能であり、大掛かりな解体工事が不要となること等、多くの利点を持った画期的な接合システムであることが認められ、現在民間企業からの利用申込みも始まっている。今後需要の拡大が期待できる木造低層公共建築物を集成材ラーメンで建設する場合に有効な方法である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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