アサリは全生活史を通して、二次生産は温度に依存していることを明らかにした。密度および生物量が安定し、個体群が多くのコホートによって形成されるため、高い二次生産量を記録した。そのため、生産が活発化する夏季においては、餌となる底生微細藻の現存量を大きく減少させることが確認された。その一方で、生物活性の上昇に伴う、栄養塩類の再生産によって、底生微細藻増殖速度を増加させる可能性が示された。定量的推定によると、アサリにより再生産された栄養塩の多くが底生微細藻によって利用されている可能性が示され、二枚貝による栄養塩の再生産過程と底生微細藻による栄養塩取り込み過程を浮き彫りにした。
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