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2013 年度 実績報告書

特殊なアミノ酸を用いて深海生物が硫化水素を無毒化するしくみ

研究課題

研究課題/領域番号 22380107
研究機関東京大学

研究代表者

井上 広滋  東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (60323630)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード特殊環境 / 生理学 / 共生 / 適応 / 深海
研究概要

本研究は、熱水噴出域固有生物の組織に特有の成分であるチオタウリンとその前駆体であるヒポタウリンを手がかりとして、深海の熱水噴出域に生息する生物が、環境中の硫化水素の毒性に適応するメカニズムの解明を目指している。本年度の研究成果は以下の通りである。
1.HPLCによる遊離アミノ酸分析の手法について、移動相のグラジエント等の改良を行った。それにより、一般的な遊離アミノ酸とシステインスルフィン酸、ヒポタウリン、チオタウリン等の本研究で注目している物質を同時に定量できるようになった。
2.研究航海NT13-05において採集し、システインやシステインスルフィン酸、およびさらに上流の物質を閉殻筋に注射したシチヨウシンカイヒバリガイ個体の遊離アミノ酸解析を行った。その結果、注射した物質は血リンパ中に入っていたが、組織には殆ど取り込まれていなかった。今後は組織抽出液を用いて生化学的なアプローチを試みる。
3.研究航海NT13-05において得た、条件の異なるコロニーから採集した個体と、同一コロニー由来の個体を採集後異なる温度に曝露した個体について、タウリン輸送体(TAUT)遺伝子の発現を調べたところ、一定の温度上昇により遺伝子発現レベルが上昇することがわかった。また、ヒポタウリン合成に関わるシステインジオキシゲナーゼ(CDO)システインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(CSAD)遺伝子の発現も検討中である。
4.CSADと構造・機能が類似するグルタミン酸デカルボキシラーゼのcDNAについて、前年度よりさらに長い領域をを、シチヨウシンカイヒバリガイから単離することができた。また、シロウリガイからもTAUT、CDO、CSADをコードするcDNAをそれぞれ単離した。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Evolutionary history of the GABA transporter (GAT) group revealed by marine invertebrate GAT-12013

    • 著者名/発表者名
      Kinjo, A., Koito, T., Kawaguchi, S., Inoue, K.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8 ページ: e82410

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0082410

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 魚介類の生態を支える生理機能に関する分子生物学的研究2013

    • 著者名/発表者名
      井上広滋
    • 雑誌名

      日本水産学会誌

      巻: 79 ページ: 315-318

    • URL

      https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/79/3/79_WA1905/_pdf

    • 査読あり
  • [学会発表] シチヨウシンカイヒバリガイの共生菌獲得機構の解明2014

    • 著者名/発表者名
      津澤一輝,小糸智子,長崎稔拓,井上広滋,土田真二,廣海十朗
    • 学会等名
      平成26年度公益社団法人日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      北海道大学,北海道
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] 海産無脊椎動物のGAT-1から解き明かすGABA輸送体グループの分子進化と機能進化2014

    • 著者名/発表者名
      金城梓,小糸智子,井上広滋
    • 学会等名
      日本動物学会関東支部第66回大会
    • 発表場所
      東京大学大気海洋研究所,千葉
    • 年月日
      20140315-20140315
  • [学会発表] 明神海丘の熱水域・非熱水域における線虫類群集の空間変異2014

    • 著者名/発表者名
      瀬戸口友佳,嶋永元裕,渡部裕美,野牧秀隆,北橋倫,井上広滋
    • 学会等名
      第61回日本生態学会大会
    • 発表場所
      広島国際会議場,広島
    • 年月日
      20140314-20140318
  • [学会発表] シンカイヒバリガイ類のヒポタウリン蓄積機構:NT11-09とその後の展開2014

    • 著者名/発表者名
      井上広滋,森司,中村欽光,小糸智子,大石和恵,長崎稔拓,日下部郁美,本郷悠貴,吉田尊雄,丸山正
    • 学会等名
      ブルーアース2014
    • 発表場所
      東京海洋大学,東京
    • 年月日
      20140219-20140220
  • [学会発表] 明神海丘の熱水域・非熱水域における線虫類群集の空間変異2013

    • 著者名/発表者名
      瀬戸口友佳,嶋永元裕,渡部裕美,野牧秀隆,北橋倫,井上広滋
    • 学会等名
      2013年日本ベントス学会・日本プランクトン学会合同大会
    • 発表場所
      東北大学,宮城
    • 年月日
      20130927-20130930
  • [学会発表] 深海性二枚貝のセロトニン受容体遺伝子の発現動態2013

    • 著者名/発表者名
      小糸智子,牧口祐也,井上広滋
    • 学会等名
      平成25年度日本水産学会秋季大会
    • 発表場所
      三重大学,三重
    • 年月日
      20130919-20130922
  • [備考] Inoue Laboratory

    • URL

      http://darwin.aori.u-tokyo.ac.jp/inouelab/

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公開日: 2015-05-28  

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