研究課題
病原体に応じた免疫応答の選択機構を明らかにするために、免疫応答の初期制御を決定するケモカインの白血球機能調節作用について検討する。本研究では、白血球への機能調節作用の解析に組換えケモカインを利用する。本年度、2種のCXCケモカイン(IL-8、CXCL13)および2種のCCケモカイン(CCL4、CC-CLM)のヒト細胞培養系による組換体を作出した。また、これらケモカインに対するモノクローナル抗体(各2クローン)を作製し、ケモカインタンパクの定量および結合解析の準備を整えた。組換えケモカインを用いた機能解析により、IL-8およびCXCL13はヒラメ白血球の走化性を誘導することが明らかとなった。特に、IL-8は顯粒球に対し、CXCL13はリンパ球亜集団に対し作用していることが推定された。ケモカインによる細胞分化作用を調べるために、ヒラメ白血球培養技術の開発に取り組んだ。ヒレ由来細胞株(JFF07-1)をフィーダー細胞に用いた培養技術により、腎臓由来の白血球を長期間培養することを可能にした。一方、細胞分化解析に利用予定である単一細胞培養は、同技術の適用だけでは困難であることが示され、細胞増殖を支持する添加因子に関する検討を引き続き行うこととした。また、長期培養が可能である集団細胞培養を細胞分化解析に適用することも並行して検討していくこととした。本研究では、ケモカインの作用を受けた白血球における遺伝子発現をDNAマイクロアレイにより解析し、細胞の機能発現および分化誘導効果について評価することを試みる。本年度は、ヒラメESTデータの整理、およびチップに搭載するプローブの準備を行い、約6,000遺伝子をスポットしたチップの作製を計画した。
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