研究課題/領域番号 |
22380113
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研究機関 | 独立行政法人水産総合研究センター |
研究代表者 |
山野 恵祐 独立行政法人水産総合研究センター, 増養殖研究所・養殖技術部, 主幹研究員 (10372020)
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研究分担者 |
太田 博巳 近畿大学, 農学部, 教授 (10351579)
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キーワード | 養殖 / マナマコ / 生殖 / 精子凍結保存 / 育種 |
研究概要 |
クビフリンによる卵成熟誘起開始後1.5-5時間に受精した結果、時間経過に伴い受精率、ふ化率、正常幼生率が低下した。特に正常幼生率の低下は顕著であった。卵割停止、多精等が高率に観察され、卵成熟後は短時間のうちに多精拒否、細胞分裂の機構の劣化が進むと考えられた。一方、完熟した親を15℃で産卵抑制して飼育し、適宜卵質の評価を行ったところ、完熟後の日数(約2ヶ月まで)と正常幼生率等には有意な相関はなく、低温飼育することで良質卵を長期的に作出できることが判明した。 精液を0℃の保存液で10-20倍に希釈し、冷却速度を-10℃/分、液体窒素に浸漬前の到達温度を-50℃とした場合に、解凍後の精子運動率は最も高い値を示した。マイクロプレートを用いた受精試験では、卵200粒に対して解凍精子数5000万(凍結前精液量で5μl)の時に、高い受精率が得られた。この媒精時の卵と精子量の比率を変えずに1万粒まで受精試験をした結果、受精率に有意な差はなかった。また精子の凍結保存耐性には用いた親個体による差があること、受精時1.5%以上のDMSOの混入は顕著な受精率の低下を招くことが判明した。 疣足の形状は、体躯と同様に容易に伸縮するため、生きたまま正確に大きさを計測することはできなかった。腹側から部分的に開腹して内臓を除去した後、煮沸しアルコール固定することで体型を一定の状態で保持できることが判明した。またおよそ1.5gに達すると疣足の計測が可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者、研究分担者とも計画に沿って着実に研究が実施されており、学会発表を通じて成果も公表されている。
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今後の研究の推進方策 |
H24年度終了時には、マナマコ卵の生体外卵成熟誘起法、精子凍結保存法の開発を終える予定としていることから、これらの手法に関してマニュアル化するなど実際に活用されるよう公表に努める。研究計画の変更はない。
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