研究課題/領域番号 |
22380116
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
佐藤 秀一 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (80154053)
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研究分担者 |
廣野 育生 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (00270926)
芳賀 穣 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (00432063)
二見 邦彦 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助教 (00513459)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 養魚飼料 / 無魚粉飼料 / 植物性飼料原料 / 濃縮トウモロコシタンパク質 / 遺伝子組換飼料原料 |
研究概要 |
無魚粉飼料の開発を行い,ヴェジタリアン養殖魚の創生をめざすために,養殖生産量の高いブリ、マダイおよびニジマス対象魚種とし,以下の実験を行った。 1.濃縮大豆タンパク質,リン,タウリンおよび必須アミノ酸を添加することにより,魚粉の配合量を20%, 0%とし,植物性飼料原料でタンパク質レベルを調整した飼料を作製し,ブリおよびマダイに給餌して検討した。その結果、マダイでは、魚粉0%飼料では成長が最も劣ったが,0%飼料へ酵素混合を添加することで,魚粉主体飼料に匹敵する成長が得られた。ブリでは、魚粉の配合量の低下に伴い摂餌量が減少し,魚粉主体飼料に比較し成長が劣った。2.新しい植物性原料として,濃縮トウモロコシタンパク質の利用性をコーングルテンミールと比較する目的で,相互に配合した飼料を作製し,ニジマスおよびマダイを用いて検討した結果、濃縮トウモロコシタンパク質のの利用性はコーングルテンミールと同等であることがわかった。4.現在使用されている植物性飼料原料のほとんどは、遺伝子組み換え作物由来のものである。この組換え遺伝子がコイの消化管において消化されるかどうかについて検討した結果、温度による影響があり、高水温時では低水温時に比較し、消化されやすいことがわかった。 以上より、無魚粉飼料の開発に必要な基礎的な知見が集積しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究より,マダイでは無魚粉飼料を給餌しても,魚粉主体飼料給餌区と同等の成績が得られることがわかったが,ブリでは魚粉配合量の低下により,摂餌量が減少したため魚粉主体飼料には成長が及ばなかった。このため,ブリでは無魚粉飼料における摂餌誘因を促す必要が必要であると思われる。さらに,新しい飼料原料の探索についても,順調に行われており,昨年度の高プロテイン穀物蒸留粕に加えて,濃縮トウモロコシタンパク質も十分使用できることが分かった。これらを鑑み,研究は十分進展していると思われるが課題もまだ残っているので,「おおむね順調に進展している。」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今まで順調に研究が進展していると思われる。今後は,植物性飼料原料に加えて,動物性の飼料原料の利用性を検討する。すなわち,魚粉以外の動物性飼料原料の利用性を検討し,あらたな無魚粉飼料の開発を展開する予定である。動物性飼料原料としては,最近使用が認められたチキンミールやポークミールがある。さらに補助的にフェザーミールや血粉の利用性も検討する。さらに,無魚粉飼料をブリに給餌した際に摂餌が劣ったことより,摂餌を誘因する飼料原料の探索も必要である。 研究計画の変更等はない。
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