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2010 年度 実績報告書

制度転換期における農業生産法人の展開方向に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22380118
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

谷口 信和  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20115596)

研究分担者 安藤 光義  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (40261747)
キーワード法人農業経営 / JA出資農業生産法人 / 集落営農 / 企業参入 / 国際比較
研究概要

本年度は一般大規模法人調査とJA出資法人調査の二つを実施した。両調査を通じて、日本農業における法人経営の到達点が明らかになりつつあるといってよい。ここでは前者の成果を中心にまとめておきたい。
大規模法人調査では2000年以前に設立された歴史の古い法人が調査対象として取り上げられており、法人農業経営の到達点をみる上では格好の素材であることが確認された。
(1)経営収支構造としては、2007~09年度の3年間で経営の75~80%が黒字、20~25%が赤字という実態が初めて統計レベルで確認された。また、07~08年に改善されていた収支は08~09年度に悪化し、世界食料危機とリーマンショック後の景気後退による影響が法人経営にも鋭く及んでいることが判明した。
(2)企業形態別には赤字経営の割合は株式会社が10%未満、非法人10%程度、農事組合法人20~25%、有限会社25%程度という格差的な構造の存在が明らかになった。
(3)作目別には米・麦・大豆作という土地利用型農業が全体の平均的な利益率3.5%を上回る5.0%水準を確保しており、法人経営に関しては一般的に言われている土地利用型農業の経営状態の劣悪性という実態とは異なる現実が存在していることが明らかになっている。
(4)常勤役職員数や従事者数といった労働力の規模の指標と利益率の間には明白な正の相関関係が検出されており、通常言われている土地利用型農業における規模の経済の非発現という評価とは異なる実態が解明されている。これは生産費調査では大規模な経営体の統計が与えられていないことが重要な要因であることが示唆されるところである。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (11件) 学会発表 (3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 2010年度大規模農家と農業法人の経営状況とJAグループに対する意識調査報告書2011

    • 著者名/発表者名
      谷口信和・李侖美
    • 雑誌名

      2010年度大規模農家と農業法人の経営状況とJAグループに対する意識調査報告書(農協協会)

      ページ: 1-99

  • [雑誌論文] 多様な課題に挑戦するJA出資型農業法人の到達点と課題2011

    • 著者名/発表者名
      谷口信和・李侖美
    • 雑誌名

      多様な課題に挑戦するJA出資型農業法人の到達点と課題(全国農業協同組合中央会)

      ページ: 1-120

  • [雑誌論文] 経営拡大しても小さな水田が点在2011

    • 著者名/発表者名
      安藤光義
    • 雑誌名

      エコノミスト

      巻: 1月18日号 ページ: 193-230

  • [雑誌論文] 予算面からみた戸別所得補償モデル対策の性格をめぐって2010

    • 著者名/発表者名
      谷口信和
    • 雑誌名

      農村と都市をむすぶ

      巻: 701号 ページ: 43-54

  • [雑誌論文] 米政策から水田農業政策へ-戸別所得補償モデル対策の意義と課題2010

    • 著者名/発表者名
      谷口信和
    • 雑誌名

      日本農業年報

      巻: 第56号 ページ: 87-112

  • [雑誌論文] 自給率向上への思想転換から政策転換へ-新基本計画の課題2010

    • 著者名/発表者名
      谷口信和
    • 雑誌名

      農村と都市をむすぶ

      巻: 703号 ページ: 16-21

  • [雑誌論文] 幕開した飼料用米・WCS用稲の時代-水田利活用自給力向ヒ事業はモデル対策から本対策へ2010

    • 著者名/発表者名
      谷口信和
    • 雑誌名

      農業と経済

      巻: 第76巻第13号 ページ: 5-15

  • [雑誌論文] JAは農地制度改正にどう対応するか2010

    • 著者名/発表者名
      安藤光義
    • 雑誌名

      農業と経済

      巻: 第76巻第8号 ページ: 36-45

  • [雑誌論文] 外国人労働者なしで日本の農業は成り立たない2010

    • 著者名/発表者名
      安藤光義
    • 雑誌名

      エコノミスト

      巻: 7月6日号 ページ: 98-99

  • [雑誌論文] TPPと日本農業の構造問題2010

    • 著者名/発表者名
      安藤光義
    • 雑誌名

      TPP反対の大義

      ページ: 68-73

  • [雑誌論文] 農産物直売所を通じた地域農業構造の再編2010

    • 著者名/発表者名
      李侖美
    • 雑誌名

      農業研究(日本農業研究所)

      巻: 第23号 ページ: 193-230

  • [学会発表] 日本型直接支払いの展望-生産支持政策を中心に-2010

    • 著者名/発表者名
      安藤光義
    • 学会等名
      日本農業法学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-09-25
  • [学会発表] 外国人研修生・技能実習生導入農家の現状2010

    • 著者名/発表者名
      安藤光義
    • 学会等名
      日本農業経営学会
    • 発表場所
      秋田県立大学
    • 年月日
      2010-09-19
  • [学会発表] EU共通農業政策の改革要因と今後の展望2010

    • 著者名/発表者名
      安藤光義
    • 学会等名
      日本農業市場学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-07-14
  • [図書] 水田活用新時代2010

    • 著者名/発表者名
      谷口信和・李侖美, 他2名
    • 総ページ数
      347
    • 出版者
      農山漁村文化協会
  • [図書] 地域おこし支援者に求められる資質-Local Action Groupで働く人々-(解題+翻訳)『のびゆく農業989』2010

    • 著者名/発表者名
      安藤光義
    • 総ページ数
      37
    • 出版者
      農政調査委員会
  • [図書] 本格化する2013年以降のCAP改革を巡る議論(解題+翻訳)『のびゆく農業993-994』2010

    • 著者名/発表者名
      安藤光義
    • 総ページ数
      74
    • 出版者
      農政調査委員会

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公開日: 2012-07-19  

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