研究課題/領域番号 |
22380119
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 宣弘 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (80304765)
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研究分担者 |
甲斐 諭 中村学園大学, 流通科学部, 教授 (70038313)
前田 幸嗣 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20274524)
高橋 太郎 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (20540876)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 農業経済学 / 国際貿易 / 東アジア共同体 |
研究概要 |
本研究は、「域内国の実態研究」「域外国の実態研究」「共通農業政策」「モデルデザイン」「モデリング」の5項目に分けて実施している。 「域内国の実態研究」においては、日本の消費者の外国産農産物、特に外国産米に対する選好を調査するために表明選好法によるデータ収集を行い、国産農産物と外国産農産物の間での需要の代替性について分析した。「域外国の実態研究」においては、現在行われているFTA交渉の中で最も重要度の高い豪州を中心に、東アジア域外各国の農産物の供給体系について分析した。共通農業政策」においては、東アジア共同体ならびにアジア共通農業政策を設立する場合の政策パターンを日豪FTAおよび環太平洋戦略的経済連携協定に参加した場合と参加しなかった場合の双方について概念的に整理した。「モデルデザイン」においては、GTAP・AGLINK等の既存の国際貿易モデルの各種パラメーターの大小およびモデル内の各国・各品目の有無が最終結果に及ぼす影響について引き続き感応度分析を行った他、それらを補完する独自の部分均衡モデルの設計に着手した。「モデリング」においては、昨年度に開発した、農家が食用米とその他の代替用途のコメ及び小麦・大豆等の転作作物との相対的な収益性から何をどれだけ作付けするかを選択するメカニズムを内生的に組み込んだモデルについて、異なる政策変数の下での市場均衡を求めるシミュレーション分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論研究、実証研究のいずれとも研究計画調書作成時に想定された速度で進んでおり、当初研究目的の達成が見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、農産物の需要の生産地間の代替性を進めるとともに、アジア共通農業政策として想定される政策シナリオ、およびそれらをモデル化するためのプログラムコードを、現実のFTA交渉の進展に応じて改変する。その上で、東アジア共通農業政策が存在する場合と存在しない場合のそれぞれにおいて、各域外国とのFTAが日本およびアジア各国の農業生産・農業の産業構造・安定的食料供給力・自然環境・所得分配等の社会厚生の構成要素にもたらす影響、およびそれらの総合した社会厚生にもたらす影響を分析する。
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