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2012 年度 実績報告書

集落営農と企業的経営の連携による地域水田農業の高度化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22380123
研究機関秋田県立大学

研究代表者

佐藤 了  秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (00299778)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード集落営農 / 企業的経営 / 地域水田農業の高度化
研究概要

本研究の目的は、集落営農と企業的経営が連携し、地域水田農業の高度化を図っている取組みの実態を分析し経営的かつ社会的な発展性と持続性を備えた地域水田農業のあるべき姿を提示することである。
本年度は、東北地域において活動を展開する大規模農業法人の展開過程及び経営実態に焦点を当て、分析を行った。その結果、明らかとなったのは以下の点である。
第1に、調査対象の大規模農業法人は、周年雇用を図る目的もあり経営の多角化を図っていた。多角化を図る上で、近隣の農業法人や流通加工業者、関係機関との連携が非常に重要な役割を果たしていた。また、それにとどまらず、近隣の農業法人と、経営や栽培技術等の情報交換や資材調達の協力等を積極的に行っている姿も確認できた。
第2に、高い経営レベルにある経営体であっても、営業利益は赤字であり、補助金や雑収入等の営業外収益を加算した経常利益でようやく黒字になっていた。そのため、政策的助成への依存度を低くし、経営の収益性、安定性の高度化を図るためには、農地集積による拡大という「規模の経済」や複合化・多角化等の事業領域の拡大という「範囲の経済」の追求だけでなく、他の経営体や異業種との戦略的提携という「連結の経済」という経営革新を追求することが今後の課題となることが明らかとなった。
第3に、大規模農業法人は、経営革新により経営規模を拡大・発展させているが、一方で、水利の調整、水路・農道・畦畔等の地域資源管理の担い手として、地域農業に対する配慮を地域政策として行っていた。その結果、地域・集落に対して地代や雇用機会という私益と農地の荒廃の抑制や地域資源の維持管理という公益を提供することで、地域農業との互恵的な関係を維持していた。しかし、今後は、地域における高齢化や相続による地域資源管理の放棄や関心の低下によって、大規模経営体への一方的な負担の増加が危惧される。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 東北水田農業における担い手の現状と今後の展開方向2013

    • 著者名/発表者名
      椿真一
    • 雑誌名

      農業・農協問題研究

      巻: 第51号 ページ: 35-44

  • [雑誌論文] 持続可能な農業と地域営農ビジョンづくりの方向性2012

    • 著者名/発表者名
      椿真一
    • 雑誌名

      JA農業協同組合経営実務

      巻: 2012年増刊号 ページ: 11-19

  • [学会発表] 東北農業水田地帯における集落営農組織の「共同化」の実態-秋田県内における「枝番管理組織」に焦点をあてて-

    • 著者名/発表者名
      渡部岳陽
    • 学会等名
      農業問題研究学会2012年度秋季大会
    • 発表場所
      東京大学農学部
  • [学会発表] 東北水田農業の与件変化

    • 著者名/発表者名
      佐藤加寿子
    • 学会等名
      平成24年度日本農業経営学会研究大会
    • 発表場所
      宮崎大学農学部
  • [学会発表] 東北水田農業地帯における中規模農家層の動向と集落営農

    • 著者名/発表者名
      中村勝則
    • 学会等名
      平成24年度日本農業経営学会研究大会
    • 発表場所
      宮崎大学農学部
  • [学会発表] 東北水田作経営における雇用導入の実態と課題

    • 著者名/発表者名
      角田毅
    • 学会等名
      平成24年度日本農業経営学会研究大会
    • 発表場所
      宮崎大学農学部
  • [学会発表] 秋田県中山間地における大規模水田作経営の経営革新と課題

    • 著者名/発表者名
      上田賢悦
    • 学会等名
      平成24年度日本農業経営学会研究大会
    • 発表場所
      宮崎大学農学部
  • [図書] 「東北水田農業の構造変動-急激な農家数減少の内実」、安藤光義編著『農業構造変動の地域分析』、pp.121-1512012

    • 著者名/発表者名
      中村勝則・渡部岳陽
    • 総ページ数
      310
    • 出版者
      農村漁村文化協会

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公開日: 2014-07-24  

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