研究分担者 |
西村 眞一 岐阜大学, 応生物科学部, 准教授 (90228221)
土田 浩治 岐阜大学, 応生物科学部, 教授 (00252122)
岩澤 淳 岐阜大学, 応生物科学部, 准教授 (90242742)
一恩 英二 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (10320912)
米林 甲陽 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (00046492)
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研究概要 |
食料・農業・農村基本法が施行されて以降,農業用排水路が改修される場合においても,それ以前のように通水機能のみを対象とするのではなく,生態系にも配慮した工法が導入されるようになってきた。一方で,これら工法を用いた改修の効果は設置された箇所毎の特性の違いや効果自体の抽出の困難さから依然として十分に評価がなされているとはいえず,さらに改修による中長期の生物相の遷移については,これまで全くといって良いほど調査事例がない.そのため,本研究では,平成10年度よりコンクリートライニングによる改修が行われてきている大江排水路を取り上げ,その改修が生態系にどのような影響を及ぼしてきたのかを多角的な視座から調査・解析することを目指している. 本年度は,年間20回程度の調査を行い,魚種相の変化,食物網の実態,水質の状況を明らかにしてきた.魚種相は10年経過した水路ではほぼ安定に近づきつつも,メダカなどの減少していた魚種が再度増加するなどの変化が見られた.食物網は一般的な水路や河川と異なり,生活排水あるいは農業廃水に含まれる有機物に依存していることが明らかになりつつあり,水質も生活排水の影響が非常に強いことが指標にも現れていることを示した.
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