研究課題/領域番号 |
22380131
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
治多 伸介 愛媛大学, 農学部, 准教授 (60218659)
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研究分担者 |
中矢 雄二 愛媛大学, 農学部, 客員教授 (00036427)
加藤 亮 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10302332)
藤原 拓 高知大学, 自然科学系, 教授 (10314981)
黒田 久雄 茨城大学, 農学部, 教授 (20205256)
斎藤 広隆 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70447514)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 集落排水 / 医薬品汚染 / 水田 / 生活排水 / 水環境 |
研究概要 |
昨年と同じく,愛媛県の圃場整備済み水田(1,250m2)で,実際の集落排水処理水を灌漑期に無希釈で連続送水して水稲栽培を実施した.その結果,昨年と同じく,処理水中の多様な医薬品が水田で高率に除去された.一方,その水田土壌で,処理水から灌漑期全般で継続的に検出されたKetoprofen(解熱消炎鎮痛剤),Crotamiton(鎮痒剤),Sulpiride(抗潰瘍剤)等の8成分の医薬品の蓄積状況を調査したところ,8成分の全てが常に土壌から検出された.ただし,どの成分も,平成23年の灌漑期前から平成24年刈り取り後まで,土壌中の医薬品含有量が経時的に上昇する傾向にはなかった.この原因としては,土壌の医薬品吸着量が既に飽和吸着量の近くに達していたり,土壌中での微生物分解が活発に行われていること等が考えられた.以上より,処理水を長期的に水田に利用しても,医薬品の土壌蓄積量の経時的な増加は必ずしも起こらないことが分かった.また,調査水田に処理水を供給している高度処理型OD法の集排施設で,処理水の24時間連続調査を灌漑期に行ったところ,検出された医薬品11種類の変動係数は大きくても0.3程度であった.また,それらの濃度は,既報の公共下水道処理水の中央値より低く,灌漑期における,集排施設での医薬品処理の有効性と安定性が示された.調査水田の土壌を充填したカラム試験からは,多くの医薬品成分が水田土壌内で除去されることが分かり,その結果はHydrus-1Dでシミュレートできた.また,茨城県の回分式活性汚泥法の施設では,季節毎に水質調査を行い,季節毎の処理水への医薬品混入特性の差異を明らかにした.以上のように,本年度は,集排施設での医薬品処理の安定性とともに,処理水に含まれる医薬品の水田での除去効果の確実性と,長期的な処理水利用による土壌蓄積量増加の可能性の低さ等を明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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