研究概要 |
本研究では,自脱コンバイン脱穀部内の穀粒や藁屑の流れをシステムとして捉え,揺動選別装置上の被選別物の挙動を明らかにし,シミュレーションモデルを構築することで,穀粒損失の低減と選別品質の向上に資するとともに,省エネルギーを可能にして低炭素社会への適応を図る。 本年度は,また,揺動選別装置上の穀粒の挙動を把握するために,今年度新たに購入した汎用DEMソフトPFC3Dを用いて,穀粒に摸した粒子群の3次元DEMシミュレーションを行った結果,揺動振動数および振幅の違いによる粒子群の運動特性の変化が再現可能となり,粒子群の最適な分離・選別条件の予測の可能性が示唆された。さらに,数値流体解析ソフトCCFDによる風選別部の3次元流体解析を行った結果,奥行きおよび幅方向の形状の違いによる選別風の解析が可能となり,より現実の脱穀選別部内の風速場の予測が可能となった。 さらに,上記の汎用DEMソフトPFC3Dと数値流体解析ソフトCCFDとの連成解析を可能にするカップリング(新規購入)により,3次元DEMによる穀粒に摸した粒子群をCCFDによって風選別部に発生させた選別風に作用させることで,穀粒群と選別風との固気混層流の解析が可能となった。 これらの研究成果は,複雑なコンバイン選別機構を解明する上で貴重であり,コンバインの選別性能の予測やPFへの適用において極めて重要な研究成果である。
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