研究課題/領域番号 |
22380137
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 英二 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00184739)
|
研究分担者 |
松井 正実 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (10603425)
光岡 宗司 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60437770)
岡安 崇史 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70346831)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | コンバイン / 選別システム / 穀流収支モデル / DEM / シミュレーション |
研究概要 |
平成24年度は,市販自脱コンバインの脱穀部を利用した穀粒循環装置を利用し,1番オーガ,2番オーガ,揺動選別装置上に流量センサを設けた選別実験システムを稼働し,2番還元率,穀粒損失率の測定実験を行い,穀粒収支モデルの検討を行った。 これまでに提案された穀粒収支モデルでは,揺動選別装置におけるシーブ開度と選別風速が一定の場合は,穀粒流量の変化に関わらず2番還元率が一定になるとされてきた。しかし,一連の実験結果から,穀粒流量が少ない場合には2番還元率と穀粒損失率が高くなり,穀粒流量が増加すると2番還元率や穀粒損失率が低くなっており,穀粒流量の増加によって2番還元率と穀粒損失率が減少していることが多くの選別実験から確認された。以上の結果,穀粒収支モデルにおける2番還元率を,揺動選別装置上の流量の関数とすることによって,精度の高い選別システムのシミュレーションが可能になった。 一方,穀粒の相互作用と流下特性への影響について,穀粒の安息角を再現するDEM解析を試みた。これまで,穀粒を球と見做して解析を行った例が見られたものの,転がりが発生し堆積状況の再現には至っていない。また,トウモロコシの粒を複数の球で構成した例なども見られるが,水稲の穀粒の流動特性を正確に再現する試みは見られなかった。 本研究では,複数の球を剛体結合して水稲の穀粒一粒を表現するDEMモデルを導入し,市販の解析ソフト(PFC3D)を用いてシミュレーションを行った。複数粒子結合モデルは,異径球2~7粒を対称に配置,剛体結合した。シミュレーションの結果,粒子数が多いほど実際の穀粒に近い安息角を再現できたが,結果に明確な差が見られないため,利便性の高い5粒子が適当と考えられた。 以上の研究成果は,複雑なコンバイン内部の状況を解明する上で極めて貴重な知見であり,コンバインの性能予測やPFへの適用において極めて重要な研究成果となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|