研究課題
1.栽培におけるN2Oの発生に関わるミクロフローラの変化、および経年資材と新規資材を用いたロックウール栽培におけるGHG発生量と菌叢変動昨年度に引き続きロックウール栽培におけるGHG発生量とミクロフローラの変化について検討を行った。その結果、GHG発生と根圏微生物量、ミクロフローラを構成する種の変化(硝化・脱窒プロセスに関わるもの)の間に有意な関連は見いだされないことを見いだした。また、栽培法に関わらず経年資材の使用によりN2O発生量が増大することが明らかとなった。これらのことは、ミクロフローラ構成種や微生物量よりも、硝化・脱窒プロセスの(酵素の)活性そのもの、およびその基質となる窒素源の供給量がN2Oの発生量に大きく関連していることを示していると考えられた。2.センサーによるN2Oのリアルタイム連続測定法の確立センサーによるN2Oのリアルタイム連続測定法を確立し、これを用いて種々の条件下においてトマトを栽培して、連続的なN2Oの測定を行った。その結果、N2O量の消長が施肥と極めて正確に同調していることがはっきりと示された。また、発生するN2O濃度が施肥を開始してから増加を示すまで約10分程度、ピークに至るまでに30分から1時間程度、施肥をやめてから基底状態に戻るまでに約3時間程度と極めて、早い反応であることが明らかとなった。さらに、発生するN2Oの濃度は光照射量と強い相関を持っており、施肥を行うタイミングとして昼と夜、あるいは晴天と雨天など、照度を異にすることで最大4倍程度N2Oの発生量が変化した。これらの結果から、温度などの条件の変化に伴うバクテリア活性の概日変化や、植物体の生育ステージの変化に伴うN2O発生量の変化などが、主に養分の需給バランスの変化による結果であることがはっきりと示された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Molecular Plant
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10.1093/mp/sss071
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