研究概要 |
本研究の目的は、収穫作業の自動化と共に、収穫した月日、時間、圃場、及び収量等の「食の安全・安心」を確保するためのトレーサビリティ情報を同時に収集可能なロボットコンバインの開発と、収穫作業全体の効率化と省力化をはかるため、収穫物運搬車の配車と乾燥施設の配分を最適化するシステムの開発を目的とする。 このため、平成22年度は,4条刈自脱コンバイン(現有)をベース車両として,自動走行用コントローラ(前後進,左右旋回,作業機オン・オフ等)の試作と自律走行制御システムの開発を行った。航法システムにはGNSS受信機やGPSコンパスを用いた。開発した自律走行制御システムにより、テストコースにおいて、Uターンとスイッチバックターンを組み合わせることで目標経路に従って自動走行させることができた。 また,イネの未刈取領域と刈取領域の境界線を検出するマシンビジョンの開発を行った。このアルゴリズムを用いて,実際のコンバイン収穫時に撮影した動画像を処理することでほぼ刈取領域の境界線を検出することができた。 さらに,穀粒排出作業の自動化のため,マーカを用いた画像処理技術の開発を行った。具体的には,コンバインの排出オーガに設置したカラーカメラで運搬トラックのキャブ上に設置したマーカを画像処理アルゴリズム"SURF"を用いることで、高速かつ高精度にマーカを認識し、排出オーガの先端を位置決めする制御を実施した。これを屋外で実験したところ,ほぼ確実に排出オーガをトラック荷台上に位置決めすることができた。
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