研究概要 |
本研究の目的は、収穫作業の自動化と共に、収穫した月日、時間、圃場、及び収量等の「食の安全・安心」を確保するためのトレーサビリティ情報を同時に収集可能なロボットコンバインの開発と、収穫作業全体の効率化と省力化をはかるため、収穫物運搬車の配車と乾燥施設の配分を最適化するシステムの開発を目的とする。 このため、昨年度改良した4条刈自脱ロボットコンバインの目標経路追従走行制御を実現するため、平成23年度は,自動走行用コントローラ(前後進,左右旋回,作業機オン/オフ等)のプログラムのアップデートやテストコースでの走行実験を繰り返し,自律走行制御プログラムの開発を行った。このロボットコンバインでは,航法システムにはGNSS受信機やGPSコンパスを用いている。平成23年10月のイネ収穫時期には,ロボットコンバインにより京都府南丹市八木町の一般農家の圃場で自動収穫実験を行い,イネの刈り取りを達成した。また,自動収穫と共に本研究費で購入したレーザースキャナを用いて刈り取るイネの刈り取り端や倒伏状態の検出も行った。 また,平成22年度に引き続きイネの未刈取領域と刈取領域の境界線を検出するマシンビジョンの研究も行った。 さらに,穀粒排出作業の自動化のため,マーカを用いた画像処理技術の開発を行った。具体的には,コンバインの排出オーガに設置したカラーカメラで運搬トラックのキャブ上に設置したマーカを画像処理アルゴリズム"ARtoolkit"を用いることで、高速かつ高精度にマーカを認識し、排出オーガの先端を位置決めする制御を実施した。これを屋外で実験したところ,ほぼ確実に排出オーガをトラック荷台上に位置決めすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定に対して,市販の自脱コンバインをロボットに改造することとその自律走行制御が順調に進み,イネの収穫作業をロボットコンバインで達成することができ,研究がよく進んだ。その反面,ロボットや運搬トラックの作業情報の収集を行って,これらの情報をGISソフトを用いて管理する部分がまだを作業中である。
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