研究課題/領域番号 |
22380141
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯田 訓久 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50232129)
|
研究分担者 |
稲村 達也 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00263129)
村主 勝彦 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (10226483)
増田 良平 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (50322152)
大土井 克明 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90372557)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 農業ロボット / 精密農業 / テレマティックス / 作業計画 |
研究概要 |
平成24年度は、これまでに開発したロボットコンバインを用いて、イネのロボット収穫を実施した。同時に収量測定も行って、ロボットコンバインの位置、方位、および作業状況などと共に、携帯電話通信網を利用して大学研究室内のサーバへ送信し、記録する実験を行った。この記録されたロボットコンバインの作業履歴を閲覧するため、Webアプリケーションを開発し、パソコンやスマートフォンで閲覧できることを確認した。また、収穫した穀粒をコンバインから運搬トラックへ自動排出するシステムについても圃場実験によって性能確認を行った。以上の結果、ロボットコンバインが目標作業経路に追従してイネの刈取を行うことができ、同時にコンバインの作業状態をWebアプリケーションで閲覧することも可能となった。穀粒排出作業では、一旦自動刈り取りからプログラムを切り替える必要があるが、ロボットコンバインがマシンビジョンで運搬トラックの位置・姿勢を検出し、排出オーガを自動位置決めして完了することができた。この他に、イネの収穫期以外は、附属農場のテストコース等において、自動走行実験を繰り返した。また、ロボットコンバインの作業状況をモニタリングするため、エンジン回転数、作業機回転数、走行速度、燃料計、および警告情報をサーバに送るためにロボット制御用マイコンのプログラムの大幅な改良を行った。しかし、収穫物運搬トラックの運行状況の測定では、GPSロガーの不具合でうまくデータを収集できなかった。さらに、ロボットコンバインの視覚センサとして、CCDカメラ、USBカメラとレーザースキャナを組み合わせて、刈取端の検出と倒伏イネの検出を行い、さらに、地面高を検出してロボットコンバインの刈取高さ制御を行った。昨年度の研究成果と合わせて、原著論文3件(査読有り)、国際学会6件とその他国内学会での口頭発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ロボットコンバインの開発は順調に進み、イネ収穫と穀粒排出をロボット作業で行えるようになった。また、関連する作物や周辺の環境を検出する画像処理やレーザースキャナによるセンシングも室内実験や圃場実験で性能評価と改良を続けている。ロボットコンバインからの様々な作業情報の収集と記録を行うためのインターネット技術の利用についても、H24年度にサーバーと携帯電話を用いて、圃場実験を行った。細かなソフトウエアとハードウエアの改善が必要であるが、当初の計画通りである。ただ、運搬トラックの運行状況の記録と運行計画については、ロボットコンバイン1台に対してトラック1台で調査してところ、運搬距離が短いこともあり、運行計画に特徴的な事項がみあたらなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度もおおむね当初の研究計画にそって、ロボットコンバインによる収穫システムの高度自動化と情報化に関する研究を行う。特にイネ収穫期には、ロボット収穫とロボット穀粒排出の連続作業と、Webアプリケーションによるロボット作業モニタリングを組み合わせたシステム全体での運用を圃場実験で行い、性能評価と最終報告に向けた研究成果のまとめを行う。
|