研究課題
本年度は、以下の3点について成果を得ることが出来た。1. CC 型遺伝子多型の新規で安価な解析法の確立: 植物のような多くの個体の遺伝子解析法であるDot-plot-SNP解析法を、動物の成長ホルモン(GH)遺伝子多型解析に応用することに成功し、塩基配列の直接的解析結果と完全に一致することが出来た。この結果、黒毛和種牛に特異的なC型遺伝子の解析に要するコストを、直接解析法の1/10以下に低減することができた。したがってこの解析法の確率は、実際の現場で、仔牛や親牛すべての成長ホルモン遺伝子多型の解析に十分に応用可能とすることができるようになる。2. CC 型遺伝子多型の脂肪細胞株樹立: CC 型遺伝子多型を有する牛脂肪組織から採取した脂肪細胞株の樹立に成功した。この細胞株を培養して、GH多型と脂肪酸合成酵素関連遺伝子であるFASN、SCDおよびSREBP-1遺伝子発現の解析を行った結果、CC型遺伝子多型の脂肪細胞株では、他の型の細胞と異なり、脂肪蓄積関連遺伝子発現が徐々に進行すること、およびGH感受性が高いことなどの違いを世界で初めて明らかすることができた。3. 多型間の糖代謝の相違: GH多型と糖代謝機能の関連性を知る目的で、AAおよびBB型間の糖代謝能をグルコース・クランプ法を実施して検討することに成功した。その結果、BB型での糖代謝におけるインスリン感受性がAA型よりも大きいが、生体重とは必ずしも平行しないことが示された。この結果は、成長期における生体重が、インスリンではなく、GH感受性に依存することが示唆された。この結果は、また、黒毛和種牛の生産性におけるGH遺伝子多型の重要性を示唆した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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