研究課題/領域番号 |
22380145
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
辰巳 隆一 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40250493)
|
研究分担者 |
水野谷 航 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20404056)
古瀬 充宏 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30209176)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 畜産学 / 食肉 / 骨格筋 / 筋幹細胞 / 運動神経 / 神経軸索成長ガイダンス因子 / Sema3A / 細胞増殖因子 |
研究概要 |
筋肥大・再生の基盤である「運動神経ネットワーク(神経末端の再生・新生筋線維への接着)の再構築を支配する分子機構」を明らかにすることを目的とした。これまでの研究により、筋が損傷すると、Day 4-12(分化期)の筋幹細胞(衛星細胞)が神経軸索ガイダンス因子semaphorin 3A (Sema3A) を合成・分泌することを見出し、「衛星細胞が運動神経ネットワーク再生を能動的に制御している」という先駆的な細胞間コミュニケーションモデルを提起した(Tatsumi et al. 2009)。本年度ではこれを発展させるため、Sema3A発現を制御する分子基盤を追究した。その結果、1)種々の細胞増殖因子のうち、肝細胞増殖因子(HGF)および線維芽細胞増殖因子2(FGF2)に強い発現誘導効果が認められ、100-300 pMでその効果が最大となる顕著な濃度依存性を示した。2)また、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-β3には強い抑制効果が認められ、8 pM で最大の効果を発揮した。HGF, FGF2にTGF-β3を共添加するとSema3A発現が完全にキャンセルされたことから、TGF-β3がSema3A発現の強力な抑制因子として機能していることが示唆された。3)損傷・再生筋から経時的に回収した細胞外液をwestern blottingに供試したところ、HGFとFGF2は再生初期(Day 4-8)に、TGF-β3は再生中期(Day 12-14)に濃度が上昇することがわかった。4)さらには、Day 3-5に浸潤してくる抗炎症性マクロファージ(M2)がHGFを産生することから、これが上記のHGF濃度上昇を担っていると考えられた。以上の結果から、誘導因子と抑制因子の濃度が上昇する時間差によってSema3Aの発現が巧みに制御されているという「増殖因子濃度依存的な時系列制御機構」が予想された。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|