研究課題/領域番号 |
22380146
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
牛田 一成 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50183017)
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研究分担者 |
井上 亮 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (70443926)
塚原 隆充 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 特任講師 (90562091)
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キーワード | 減投薬家畜生産 / 不顕感染 / 健康診断システム / 末梢血白血球比重 |
研究概要 |
仔ブタの不顕性感染と白血球の比重パターン変化の示す相関関係が消化器系疾患にはみられず、呼吸器系疾患に認められるという22年度に発見した事実を確実なものとするため、引き続き野外調査を実施するとともに、Pasteurella multocida(Pm)あるいはActinobacillus pleuropneumoniae(App)、あるいは易熱性エンテロトキシン産生大腸菌(Lr)、耐熱性エンテロトキシン産生大腸菌(ST)の実験感染試験を実施した。このとき22年度試験において特徴的な異同をしめした比重(1.084~1.072g/m)の白血球について、フローサイトメトリーを用いた詳細解析を行いポピュレーション構成の変化を求めた。フローサイトメトリーによる解析の結果、これらの比重の白血球分画では、顆粒球の存在比が著しい変化を示すことがわかった。PmおよびApp感染では、感染初期の5日間に顆粒球の増加が起こっていたが、その後急速に元の数値に復帰することがわかった。大腸菌感染ではほとんど増加が認められなかった。野外試験において、Haemophilus parasuis、Mycoplasma hyopneumoniae Mycoplasma hyofhinis、PCV2の感染率が高くPmとPRRSの感染もそれに次いでいた。顆粒球の存在比が、これらの呼吸器疾患原因微生物の存在と有意な負の相関関係が認められた。これらの点から、顆粒球が当該比重の白血球の異同の原因であると考えられた。また、子ウシについても予備的な検討を行い、パーコールによる10段階の不連続密度勾配を形成し、白血球を分離したところ、仔ブタと比べて赤血球が軽い比重まで分布する経口が個体によって伺えたが、軽い比重域での分布状況は仔ブタとほぼ変わりないことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
末梢血白血球の比重変化を利用した家畜の健康診断法確立のため、22年度に発見した仔ブタの不顕性感染と白血球の比重パターンの相関が消化器系疾患にはみられず、呼吸器系疾患によく認められるという事実を確実なものとするため、野外調査を実施するとともに、Pasteurell amultocidaやActinobacillus pleuropneumoniaeあるいは易熱性エンテロトキシン産生大腸菌、耐熱性エンテロトキシン産生大腸菌の実験感染試験を実施し事実を確実なものとした。また、22年度試験で特徴的な異同をしめした比重(1.084~1.072g/m)の白血球についてフローサイトメトリーを用いた詳細解析を行い、ポピュレーション構成の変化を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
23年度は、当初計画の通り現場で実施が可能になるように、さらに方法の簡略化をすすめるとともに、ウシへの適用も試みる。
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