研究課題/領域番号 |
22380156
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青木 不学 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20175160)
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キーワード | 卵 / 卵成長 / 卵成熟 / 初期胚 / 発生能 |
研究概要 |
哺乳類の卵は卵巣内での成長過程でその後の成熟能および発生能を獲得する。しかし、十分な大きさに成長した卵においても、一部にこれらの能力を獲得していないものが存在する。本研究においては、卵成長過程における成熟能および発生能獲得のメカニズムを明らかにし、さらに一部の卵でこれらの能力を獲得できない原因を探ることを目的とする。 そのため平成23年度は成熟能および発生能に関わる因子を明らかにするため、これらの能力を持つSN(surrounding nucleorus)タイプの成長卵とまだ持たない成長途中にある成長期卵について定量性の高い網羅的遺伝子解析法であるRNA sequence法による解析を行った。その結果、成長過程で著しく発現量が増加する数十の遺伝子が発見できた。さらに近年、成長卵でmRNAとしては発現しているが翻訳が行われておらず、減数分裂再開後あるいは受精後に翻訳量が増加する遺伝子が存在することが明らかとなってきている。そこで、これらの遺伝子がそれぞれ成熟能および発生能に関与している可能性を踏まえて、pol(A)鎖によるセレクションを行った後にRNA sequenceを行うこととした。そのための予備実験として、poly(A)鎖が減数分裂の前後で変化することがすでに知られている遺伝子についてOligo(dT)カラムを用いるセレクションを試みたところ、poly(A)鎖が短いmRNAは取り除かれ、逆にpoly(A)鎖が伸長したmRMを効率よく回収できることが明らかになった。以上により、poly(A)セレクション後のmRNAについてRNA sequenceを行う準備が完了した。今後は、この結果と通常のRNA sequenceの結果を比較することにより、成熟能および発生能に関わる因子のより有効な探索が可能になるものと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成熟能および発生能に関わる因子の候補をRNA sequenceで得ることができ、さらにpoly(A)セレクション後のRNA sequenceによりさらに候補を絞るという新たな研究手法を考案し、その準備ができた点で研究は概ね順調に進行していると考えられる。ただし、目的の因子を未だ同定していないことから、研究の最終目標には到達しておらず計画以上に進展したとは評価できない。
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今後の研究の推進方策 |
上述したように複数のRNA sequenceの結果を比較検討することにより、成熟能および発生能に関わる因子の候補を絞り込み、それをRNAiでノックダウンすることにより、実際の機能を明らかにしていく予定である。
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