研究課題/領域番号 |
22380159
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小森 成一 岐阜大学, 応用生物科学部, 名誉教授 (70195866)
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研究分担者 |
海野 年弘 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90252121)
北澤 多喜雄 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (50146338)
飯野 哲 福井大学, 医学部, 教授 (40242854)
松山 勇人 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (80345800)
棚橋 靖行 京都産業大学, 総合生命科学部, 助教 (60582418)
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キーワード | 消化管 / 蠕動運動 / ノックアウトマウス / コリン作動性神経 / カハール間質細胞 / ムスカリン受容体 / 受容体サブタイプ |
研究概要 |
本研究では、腸管の蠕動発現メカニズムの全容を解明し、その分子機構のモデルを構築する一環として、1)蠕動の発現とその周期性、持続性、および輪走筋と縦走筋の協調性におけるアセチルコリン(ACh)受容体サブタイプ(M2とM3)ならびにカハール間質細胞(ICC細胞)の役割・機能、2)ACh放出神経から平滑筋への情報伝達における各ACh受容体サブタイプとICC細胞の役割・機能、・3)ICC細胞のAChに対する応答反応とその細胞応答における各ACh受容体サブタイプの役割・機能を明らかにし、消化器疾患の病態解明や治療薬の開発に基礎情報を提供することを目的とした。 今年度に得られた成果の概要は次の通りである。1)ACh放出神経から平滑筋への情報伝達(コリン作動性情報伝達)におけるM2とM3の各サブタイプの役割を、興奮性接合部電位(EJP)を指標に険討した結果、EJPの発現には、M2、あるいはM3のACh受容体サブタイプの単独刺激により発生する経路に加え、両受容体の刺激を必要とする経路(M2/M3経路)が存在し、M2/M3経路がコリン作動性情報伝達の主要経路であることを明らかにした。2)EJPの検討を、筋間神経叢のICCが欠損したマウス(W/W^Vミュータントマウス)を用いて解析した結果、筋間神経叢のICCがコリン作動性情報伝達を一部仲介する事が明らかとなった。3)神経刺激収縮反応を指標にW/W^Vミュータントマウスにおけるコリン作動性情報伝達機構を解析した結果、同神経による伝達にはICCを介さず直接平滑筋へ情報を伝達する経路のあるここも明らかとなった。以上の成果の一部は、日本獣医学会、日本薬理学会、組織細胞化学会等に発表するとともに、4編の学術論文として公表した。また、専門誌への投稿を現在準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、研究目的のうちの「アセチルコリン放出神経から平滑筋への情報伝達における各ACh受容体サブタイプとICC細胞の役割・機能」について重点的に取り組み、当初予定していた実験項目をおおむね終了することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、カハール間質細胞(ICC)のアセチルコリン(ACh)に対する応答反応とその細胞応答における各ACh受容体サブタイプの役割・機能を明らかにする予定である。この目的のため、ACh受容体サブタイプの欠損マウスからICC細胞を単離し、膜電流反応および細胞内Ca^<2+>濃度の測定を行う計画である。現在、ICCの細胞単離を試みているが、必ずしも安定した細胞単離ができないため、この種の実験の経験がある研究者に相談する予定である。
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