研究課題/領域番号 |
22380174
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
岩野 英知 酪農学園大学, 獣医学部, 准教授 (60382488)
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研究分担者 |
樋口 豪紀 酪農学園大学, 獣医学部, 准教授 (00305905)
井上 博紀 酪農学園大学, 環境システム学部, 准教授 (90305904)
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キーワード | 感染症 / 獣医学 / 微生物 / 抗生物質 / 医療・福祉 |
研究概要 |
本研究では、細菌を宿主とし、抗生物質とは異なった溶菌活性を持ったバクテリオファージに注目し、乳房炎治療に向けた新しい治療法の確立を目的としている。 本年度は、ウシ乳房炎モデルマウスの系を確立し、生体内でファージがSAの増殖抑制効果を発揮できるのか調査する実験を行った。 <乳腺内への黄色ブドウ球菌(SA)、ファージ連続投与による増殖抑制効果> (方法)哺乳7~10日の母親マウスにSA(SA10^3、10^5CFU)、ファージファージ(10^5、10^7PFU)のような試験群を作り、投与後2日後の乳腺内SA菌数を測定し、ファージの効果を検証した。菌数測定は、乳腺ホモジナイズ試料を階段希釈し平板法により算出した。 (結果)ファージ投与群では、乳腺におけるSA菌数の減少が確認された。 <血液中および腹腔投与へのファージ投与の効果> (方法)ファージの投与経路を考察する目的で、血液中、腹腔へファージのみを投与し、乳腺組織に移行するのかどうかをファージDNAのリアルタイムPCRにより定量して検証した。また、哺乳7~10日の母親マウスに以下のような試験群を作り、投与後2日後の乳腺内SA菌数を測定し、ファージの血液中投与の効果を検証した。 (結果)血液や腹腔にファージを投与した場合、乳腺内にファージが到達することが確認され、さらに乳腺内SAの増殖抑制効果が確認できた。血液中へのファージ投与は、効果的な投与経路の一つであることがわかった。本研究は、動物用ワクチン-バイオ医薬品研究会設立記念シンポジウム、日本乳房炎研究会第15回学術集会、第150回日本獣医学会学術集会にて発表している。
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