研究課題/領域番号 |
22380177
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
百町 満朗 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90113612)
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研究分担者 |
小山 博之 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90234921)
山本 義治 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (50301784)
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キーワード | 発病衰退現象 / 拮抗微生物 / 土壌微生物相 / PCR-DGGE解析 |
研究概要 |
自然に生じた発病抑止土壌として発病衰退土壌がある。通常、同一作物を連作した圃場では病原菌の集積などによって連作障害が発生する。しかしある種の土壌では、始めは激しかった病気の発生が、連作を続ける間に徐々に低下するという、発病衰退現象が確認されている。この現象は拮抗微生物の集積による例が多く、病害ごとに、あるいはそれを引き起こす病原菌ごとに集積する拮抗微生物は異なることが知られている。本研究では、人為的に発病衰退現象を再現することによって、発病衰退に伴う拮抗微生物の集積パターンを明らかにし、土壌微生物相の変化をモデル化するとともに、発病抑止土壌の評価法を確立することを目的とした。Rhizoctonia solaniとSclerotium rolfsiiを繰り返し接種した土壌では、接種2回目、非病原性2核Rhizoctonia(BNR)を繰り返し接種した土壌では接種1回目においてTrichoderma属菌の顕著な増加が見られた。R.solaniまたはBNRを繰り返し接種した土壌中には、主にT.hamatumとT.virensが集積したのに対し、S.rolfsiiを繰り返し接種した土壌中には、主にT.hamatumが集積し、T.virensはみられなかった。繰り返し接種土壌中の糸状菌相をPCR-DGGE解析すると、いずれの菌を繰り返し接種した場合においても接種3回目でTrichoderma属菌のバンドが見られた。これらの結果より、繰り返し接種土壌中に集積するTrichoderma属菌の種構成を判別することで、発病抑止土壌の性質を評価できることが示唆された。
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