研究課題/領域番号 |
22380177
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
百町 満朗 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90113612)
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研究分担者 |
山本 義治 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (50301784)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 発病抑止土壌 / 拮抗微生物 / 土壌微生物相 / PCR-DGGE解析 |
研究概要 |
アーバスキュラー菌根菌(AMF)や植物生育促進菌類(PGPF)等の植物の生育を促進する微生物は土壌の肥沃性を保ちつつ植物の健康を向上するのに不可欠の存在である。また、これらの微生物を組み合わせて同時に接種したときのキュウリの生育、根や根圏での着生、およびColletotrichum orbiculareによる炭疽病やRhizoctonia solani AG4による苗立枯病の進展に及ぼす影響を制御環境下で調べたものである。その結果、①G. mosseaeとF. equisetiは互いにキュウリ根への定着に対し拮抗的に働くが、この拮抗関係はキュウリに対するこれらの菌の生育促進効果には影響を及ぼさない、②F. equisetiは地上部の病害である炭疽病と地下部病害の苗立枯病の両方に対し抑制効果が示す、③G. mosseaeは地上部の病害である炭疽病には抑制効果を示すが地下部病害の苗立枯病に対しては示さない、④G. mosseaeとF. equisetiを組み合わせて接種すると、地上部の病害である炭疽病に対しては相乗的な抑制効果が示すが、地下部病害の苗立枯病に対してはそのような効果を示さない、ことが明らかになった。用は持続的な作物生産管理技術の向上を図る上でも非常に重要である。有用な微生物間の相互作用が同調的であるかあるいは拮抗的であるかを明らかにすることはそれらを生物防除エージェントや生物肥料として利用する上で必要となる。本研究では、AMFであるGlomus mosseaeとPGPFを組み合わせて接種したときの発病抑止性や土壌微生物相の変化を明らかにすることを目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
有用微生物の単独接種と組み合わせ接種による発病抑止性の違いを見いだせており、またそれに伴う土壌微生物層の変化を明らかにしてきた。これらの研究結果の一部はすでに論文としてまとめられている。
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今後の研究の推進方策 |
既知の生物防除エージェントの組み合わせ接種のモデル(人為的導入群集)と発病抑止型土壌に集積する微生物群集のモデルを作成し、それらの土壌のもつ抵抗性誘導の機能を比較研究する。
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