種子消毒法により、無菌イネ(以下、低表生菌密度イネ、RLEと呼称)の作出に取り組んだ。その結果、3年間の試験から、RLEは通常栽培イネより1/10000以下の菌密度であり、RLEの研究用素材としての実用化が可能と考えられた。本成果は、マイクロアレイでイネ遺伝子発現を調べるにあたり、従来考慮されなかった「植物生息微生物ノイズ」を大幅に除去した「高精度のイネ遺伝子発現解析」を可能にすると考える。昨年に続き、RLEと普通栽培イネのマイクロアレイ解析を実施した。発現の違いに関する解析では、昨年同様に各遺伝子発現レベルで2-fold upしたものを選抜して解析に供試した。その結果、低表生菌密度イネではDNAの複製と修復、たんぱく質の合成・加工・輸送に関与する遺伝子群がより多く発現していることが明らかになった。
|