研究課題/領域番号 |
22390007
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
濱瀬 健司 九州大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (10284522)
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研究分担者 |
小柳 悟 九州大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (60330932)
植田 正 九州大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (90184928)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 分析化学 / メタボローム / アミノ酸 / 光学分割 |
研究概要 |
平成23年度までに開発した「光学異性体を区別するアミノ酸メタボローム分析法」を用い、平成24年度にはヒト試料におけるキラルアミノ酸メタボローム解析を行った。ヒト試料としては全身の情報が得られる血液に加えて非侵襲採取が可能な尿を使用した。その結果、血液においては、多量なL-アミノ酸の存在下で微量なD-セリンおよびD-アラニンが恒常的に認められ、D-プロリンおよびD-ロイシンが認められる試料も存在した。尿については血液と比較するとD-アミノ酸の存在量は多く、L-アミノ酸と同程度またはそれ以上に存在するアミノ酸も認められた。特にD-アスパラギン、D-アルギニン、D-セリン、D-アラニン、D-バリンなどは高濃度に存在し、D-アロスレオニン、D-アロイソロイシンの存在も認められた。これら血中および尿中に存在するD-アミノ酸は、平成23年度までに明らかにしたマウスおよびラット試料に存在するD-アミノ酸と良く一致した。本分析法を用いて腎障害、心血管障害および自己免疫疾患におけるD-アミノ酸含量変化を解析した結果、腎障害時にD-セリンやD-アラニン含量が増加する傾向が認められ、今後さらにヒトキラルアミノ酸メタボロームの正常値決定や大規模スクリーニングによるバイオマーカー評価、診断法の開発が期待される。また、平成24年度はD-アミノ酸含量増幅型モデルマウスの作出を行った。哺乳類には中性および塩基性D-アミノ酸を分解するD-アミノ酸酸化酵素(DAO)と、酸性D-アミノ酸を分解するD-アスパラギン酸酸化酵素(DDO)が存在し、この両者で全D-アミノ酸を分解する。そこで、本研究では両酵素を共に欠損するDAO/DDO二重欠損マウスを作出した。その結果、本マウスは中性、塩基性、酸性の様々なD-アミノ酸含量が劇的に増加しており、今後D-アミノ酸含量解析の強力なツールになると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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