研究課題
細胞が運動する際や分裂する際には、運動部位や分裂部位で細胞膜が変形したり特定のタンパク質の供給が起こらなければならない。そのために、局所的なアクチン細胞骨格のリモデリングと小胞輸送による特定のタンパク質や脂質の供給が協調して起こる必要がある。これら二つの機能の協調は、小胞輸送の調節を担うArfファミリーと細胞骨格の調節を担うRhoファミリーの低分子量GTPaseの共役によって達成される。細胞分裂時にキネシン様タンパク質MKLP1は、Rhoファミリーに対するGAPとして機能するMgcRacGAP/CYK4と複合体を形成してフレミングボディーに局在する。我々は、Arf6がArf-GEFのEFA6によって局所的に活性化され、MKLP1に結合してフレミングボディーにリクルートされ、小胞輸送を共役させることによって、細胞骨格のリモデリングと連動する細胞質分裂を調節することを見いだした。しかし、Arf6のノックアウトマウス由来の繊維芽細胞でも、細胞分裂後の形態にある程度の異常はあるものの、分裂自体は起こることから、Arf6以外のArfアイソフォーム(Arf1, Arf3, Arf4, Arf5)も細胞質分裂に関与する可能性について検討した。RNAiによりArf6以外の各Arfアイソフォームを単独でノックダウンしても、細胞分裂に異常は見られなかった。しかし、Arf1とArf3を同時にノックダウンすると、細胞質分裂にある程度の異常が見られ、Arf6も一緒にノックダウンするとさらに異常になった。一方、EFA6はArf6だけでなくArf1やArf3も活性化可能であった。これらの結果から、EFA6によって活性化されたArf6だけでなく、Arf1やArf3も細胞質分裂の調節に関与することが明らかになった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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