研究概要 |
本研究は,世界的に有名な遺伝病,嚢胞性線維症(CF)および地元熊本にフォーカスがある遺伝病,家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)という希少疾患に対する創薬研究である.CFについては,CFと同様の呼吸器病態を示すin vivo評価モデルを構築慢性的な粘液過剰分泌を呈するモデルの確立を試み、週齢によって,粘液分泌,炎症性サイトカイン産生の表現型が変化するというデータを得、最終的に、薬効評価系として活用できるモデルを確立し、数種の化合物の評価が可能になった.実際に、prostasin阻害薬であるcamostatや去痰薬として汎用されているcarboxy methyl cysteineを評価し、呼吸機能の改善作用および肺洗浄液中の粘液等の産生量を制御できることがわかった。また、マイクロアレイ解析の結果、創薬ターゲットあるいはバイオマーカーになりうる候補分子を見いだすこともできた。さらに、予定していた、本モデルにPGN, LPS等を経気管投与し、重篤な急性モデルを作成するという検討は次年度に実施することにした。ドッキングシミュレーションによるTTR4量体形成阻害薬の候補化合物の探索については、今年度、九州大学に文部科学省の予算で設置されたハイスループット設備を活用するために、アッセイ法の確立を優先し、ELISAの基礎検討がほぼ終わり、化合物スクリーニングが可能になった。ドッキングシミュレーションによるTTR4量体形成阻害薬の検索は、ヒット化合物を得られた後に確認の意味で実施することにした
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