研究課題
巨大で多彩な機能を持つ基底膜の主役的タンパク質・ラミニンの機能部位の解明と医薬分野への応用を目的に、組換えタンパクと合成ペプチドを用いて機能部位の網羅的解析を行い、細胞特異的に作用する活性ペプチドの同定と生物活性の解明、レセプターの探索と細胞内情報伝達の解析をとおして作用メカニズムの解明を行うとともに、それらの創薬、DDS、再生医療など幅広く医薬分野へ応用のための基盤構築を目的に研究を行った。平成25年度は、すべてのβ鎖(β1-3)のN末端部分(各1000アミノ酸残基)の細胞接着部位の探索を約300種類の合成ペプチドを用いて行った。この結果、数種類の生物活性ペプチドを見出すことができ、それらの受容体として、インテグリンやシンデカンを同定することができた。これらの成果は、学会にて発表し、現在論文投稿中である。今までのラミニンペプチドライブラリーを用いた活性配列のスクリーニングを参考に、Xaa-Gly-Yaaモチーフを特定し、約100種類のペプチドを用いてその重要性を検証した。これらの結果は6回にわたり国内外の学会にて発表し、現在論文を投稿中である。また、ラミニンα鎖のループ部位の活性ペプチドのコンフォメーションの重要性を解析し、7回にわたり国内外で発表した。さらに、得られた細胞接着ペプチドを再生医療など幅広く医薬分野へ応用のため高分子多糖に結合し、細胞に対する作用を解析した。インテグリンに結合するペプチドと新デカンに結合するペプチドを混合してキトサンマトリックスに結合させることにより相乗効果により強い活性を発現することを見出し論文発表した。高分子多糖として、ヒアルロン酸を用いることにより3次元培養が可能となり、ペプチド-高分子多糖複合体の細胞培養基材としての応用範囲が拡大した。これらのペプチド-マトリックスに関する研究は、2報の論文と17回にわたり国内外の学会にて発表した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (39件) (うち招待講演 4件) 図書 (4件)
J Invest Dermatol.
巻: 134 ページ: 256-263
doi: 10.1038/jid.2013.305.
J Biol Chem
巻: 288 ページ: 30990-31001
doi: 10.1074/jbc.M113.486456.
Biomaterials
巻: 34 ページ: 6539-6547
10.1016/j.biomaterials.2013.05.044
Biopolymers
巻: 100 ページ: 751-759
doi: 10.1002/bip.22303.
巻: 100 ページ: 402-407
doi: 10.1002/bip.22246.