研究課題/領域番号 |
22390019
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高山 廣光 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90171561)
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研究分担者 |
小暮 紀行 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80396689)
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キーワード | 鎮痛薬 / 脳機能改善薬 / 構造活性相関 / 生物活性天然物 / オピオイド / アルカロイド / 不斉全合成 / リコポジウム |
研究概要 |
1.がん性疼痛に有効な新規鎮痛剤の開発を目的に、既に見いだしているリード化合物(コリナンテ型インドールアルカロイド誘導体)の構造修飾により、ラット肝ミクロソーム代謝に対して安定性を持たせた化合物の取得を今年度も目指した。酵素による代謝を受けていると考えられる官能基を変換した化合物を種々合成し、活性試験に付しだ。このうち、数種の化合物が活性を保持したまま、代謝安定性が改善されたことが明らかになった。また、創薬研究を実施していく上で必要な基礎データ(薬物の体内動態解析)取得のため、SPECT用プローブ(放射活性ヨウ素を分子内に有するリガンド)の創製研究に着手した。リード化合物の側鎖置換基上にヨウ素官能基を持つ誘導体を数種合成した。これらの活性試験は、in vitroで鎮痛活性を示すもののin vivo実験では活性が消失する結果となり、今後前述とは異なる含ヨウ素誘導体の分子設計と合成を実施する予定である。 2.認知症改善薬探索研究の一環として、新規な活性アルカロイドの不斉全合成による大量供給法の開発を目指した。フォーセッチミン型リコポジウムアルカロイド(Fawcettimine, Fawcettidine,Lycoposerramine-R)の全合成、さらにイボガ型新規インドールアルカロイド(VAR-6)の初の全合成に成功した。また、アセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有する天然アルカロイドの探索により、新規リコポジウムアルカロイドを数種見いだした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度の研究実施計画に記した事項についてはほぼ達成できたが、SPECT用プローブの創製に関しては、活性評価の結果から、次年度において活性化合物の取得(新たな分子設計と合成)を継続する必要が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
がん性疹痛に有効な新規鎮痛剤の開発研究に関しては、われわれのリード化合物のADME情報を参考に、構造の最適化に努めながら、医薬品開発候補化合物の取得を目指す。さらに、本化合物のプロセス合成を可能とするルート開拓に引き続き務める。一方、認知症改善薬の探索研究に関しては、単離天然物、合成品ともに活性評価に付し、新規創薬シード化合物の発見を試みる。加えて、すでに見出している新規な活性アルカロイド類の不斉全合成による大量供給法の開発と確立を目指し、医薬化学研究に展開する。
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