研究課題/領域番号 |
22390027
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉成 浩一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (60343399)
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研究分担者 |
宮田 昌明 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (90239418)
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キーワード | 核内受容体 / 薬剤性肝障害 / 細胞周期 / レポーターアッセイ / 脂質代謝 / 肝非実質細胞 / 炎症 / 肝発がん |
研究概要 |
薬物による肝毒性との関連が示唆されている異物応答性の核内受容体であるCARおよびPXRについて、毒性に関連する両核内受容体の細胞機能の解析を行ない、本年度は以下の成果を得た。 1.CARおよびPXRの脂質代謝調節機能の解明:マイクロアレイ解析により、マウス肝において、CARはケトン体合成の律速酵素であるHmgcs2の発現を負に制御していること、またその抑制はPPARalpha依存的なHmgcs2の転写阻害によることが明らかになった。 2.CARおよびPXRの細胞周期に対する作用の解明:マウスにCAR活性化物質またはPXR活性化物質を投与し、肝の細胞周期関連遺伝子の発現変動をPCRアレイ法を用いて解析した。その結果、CAR特異的に制御を受けている可能性がある遺伝子を複数同定することができた(論文投稿準備中)。現在これらの発現調節機序の解析を進めている。 3.CARおよびPXRの炎症シグナルに対する作用の解明:ヒト単球系THP-1細胞をホルボールエステルで処置し、マクロファージ様細胞へ分化させた後にPXR、PPARalpha、PPARgamma、LXRalphaのリガンドを処置し、サイトカイン・ケモカイン関連遺伝子の発現変動を解析した。その結果、PPARalphaやPPARgammaのリガンド処置により、細胞障害性T細胞や樹状細胞の遊走に関わるケモカインの発現亢進や抗炎症性サイトカインの発現抑制が起ることを見出した。 4.CARおよびPXR活性化能評価系の構築:ヒトCAR、マウスCAR、ヒトPXR、ラットPXRについて、化審法既存物質176物質による活性化作用のスクリーニングを行った。その結果、ヒトCARやヒトPXRを非常に強く活性化する物質を同定することができた(論文投稿準備中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
応募書類や交付申請書の計画通りに進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
応募書類に従い、CARおよびPXRの薬剤誘発性の肝毒性における機能に関する研究を進める。また、活性化能評価系の高度化を進める。
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