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2011 年度 実績報告書

細胞選択的導入ペプチドを用いた疾患治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 22390038
研究機関琉球大学

研究代表者

松下 正之  琉球大学, 医学研究科, 教授 (30273965)

研究分担者 中村 真理子  琉球大学, 医学研究科, 准教授 (40180400)
砂川 昌範  琉球大学, 医学研究科, 助教 (70325835)
キーワード癌 / ペプチド / DDS / イメージング / 分子標的 / 創薬 / 脳 / シグナル
研究概要

(研究の実施内容)
目的の細胞にのみ選択的に導入可能な人工ペプチドの開発を目指し、ペプチドライブラリーよりスクリーニングを行った。
多種類のヒト細胞培養パネル(がん細胞株、肉腫細胞株、血球系腫瘍細胞株、各種初代培養正常細胞:計30種類程度含むもの)を用意し、各々について細胞透過アッセイを実施した。その結果、癌種に特異的に侵入するペプチドを10種類発見することができた。これらの癌種特異的なペプチドの中で、急性骨髄性白血病に特異的に侵入するペプチドを用いた腫瘍の生体イメージングと治療を試みた。まず、白血病移植モデルを作成し、白血病特異的導入ペプチドと癌細胞にアポトーシスを誘導する機能性ペプチド(p16)との融合ペプチドを用いて、モデル動物に投与し、治療効果を検証した。細胞レベルでアポトーシスを起こし、正常細胞には全く効果を及ぼさないペプチドをデザインできた。この人工ペプチドを腫瘍移植モデルに投与し、生体で腫瘍イメージング可能であり、副作用のない治療効果を得ることができた。
(研究の意義・重要性)
ペプチドの大きな利点は、生体内での分解・代謝が良好で、低抗原性・低毒性ということである。この利点を生かしたペプチドによる"細胞選択的導入ペプチド"の開発の成功は、非侵襲性超効率細胞浸透性PTDを応用した医療技術として既存ドラッグデリバリーシステムの抱える難問の解決に大きな前進をもたらす"細胞選択的ドラッグデリバリーシステム"の確立に直結する独創性の高いアプローチであり、我が国の多岐にわたる医療・医学研究分野に大きなインパクトを与えると期待できる。特に、上記PTDを応用したタンパク分子や機能性ペプチドの癌細胞などの疾患細胞選択的送達システムの構築にまで展開されれば、副作用の少ない多重的分子標的技術の確立が可能となり、新たな疾患治療戦略の基盤にも成り得る。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の達成目標である選択的導入ペプチドの同定と、がん治療への応用が達成できている。その結果として、論文の投稿をした。

今後の研究の推進方策

今後は、申請計画をもとに生体イメージングへの応用や脳神経疾患への適応拡大を試みる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] MicroRNA 130 fmily regulates the hypoxia response signal through the P-body protein DDX62011

    • 著者名/発表者名
      Saito K, Kondo E, Matsushita M
    • 雑誌名

      Nucleic Acid Research

      巻: 39 ページ: 6086-6099

    • DOI

      10.1093/nar/gkr194

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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