研究課題
本年度は、TRPV1およびTRPV4ノックアウトマウスを用いて、脱水、容量減少による飲水行動、摂食行動について解析し、TRPV1もしくはTRPV4の役割を解明することを目的とした。具体的には、野生型マウス、TRPV1ならびにTRPV4ノックアウトマウスに対して、24時間の絶水、1M NaCl (20ml/kg)腹腔内注射(i.p.)、2%NaClの5日間飲水投与およびポリエチレングリコール(PEG: MW 4000, 20ml/kg) i.p.負荷後3時間におけるそれぞれのマウスの飲水量および摂食量を、マウス用代謝ケージを用いて経時的に計測した。その結果、(1)24時間の絶水後のTRPV1およびTRPV4ノックアウトマウスにおける飲水量は、水再投与15分後から3時間後まで野生型マウスより有意に減少していた。また、TRPV4ノックアウトマウスにおける摂食量は水再投与1時間後から3時間後まで有意に減少し、TRPV1ノックアウトマウスにおける摂食量は水再投与3時間後で有意に減少していた。(2)1M NaCl i.p.、2% NaCl飲水投与およびPEG i.p.では、野生型マウス、TRPV1ならびにTRPV4ノックアウトマウス間に有意な飲水量および摂食量の変化を認めなかった。以上の結果から、絶水による浸透圧負荷に対する飲水行動にTRPV1およびTRPV4が関与していることが明らかとなった。また、水再投与後の摂食行動も1時間から3時間経ってTRPV1およびTRPV4ノックアウトマウスにおいて有意に低下していたことから、TRPV1およびTRPV4が関与している可能性がある。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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