研究課題/領域番号 |
22390049
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
酒井 規雄 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 教授 (70263407)
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研究分担者 |
秀 和泉 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (20253073)
田中 茂 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (20512651)
関 貴弘 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (50335650)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | セロトニントランスポーター / 膜輸送 / ケミカルシャペロン / 脳虚血 / うつ病 / 神経変性疾患 |
研究概要 |
気分障害(うつ病)への展開 ① ケミカルシャペロンの一種である4-フェニルブチル酸(4-PBA)は、抗うつ薬の作用点であるセロトニントランスポーター(SERT)の取り込み活性を上昇させることを見出した。その機序について検討したところ、4-PBAは、小胞体に停留しているSERTの膜輸送を促進し、細胞膜の発現量を相加させる効果があることが明らかになった。加齢や脳虚血などで小胞体ストレスが生じ、SERTの膜輸送が阻害され、シナプス間隙でのセロトニンの回収が不足し、最終的にセロトニン神経伝達が不活性化することが予想される。このことが、老人性うつや脳梗塞後のうつの原因になりうる。4-PBAのようなSERTの膜輸送を促進する薬物は、それらの病態を改善させる新たな気分障害治療薬になりうることが示唆された。( J. Pharmacol. Sci. (2013) in press) ② SERTを発現させたセロトニン神経細胞株RN46AにcAMPアナログを作用させ、細胞内のcAMPを上昇させるとSERTのセロトニン取り込み活性は上昇し、その際同時にRN46A細胞は神経細胞様に分化することが明らかとなった。この現象の分子メカニズムについて検討したところ、cAMPを上昇させたRN46A細胞では、SERTの分解が抑制され、細胞膜に発現するSERT量が増加することがわかった。このことから、セロトニン神経が発達・分化する際にSERTの取り込み活性が上昇し、より多くのセロトニンが回収されセロトニン神経伝達が強化されることが示唆された。(J. Pharmacol. Sci. 121 (2013) 25 -38 )
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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