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2012 年度 実績報告書

滑脳症治療薬開発に向けた新戦略

研究課題

研究課題/領域番号 22390056
研究機関大阪市立大学

研究代表者

山田 雅巳  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10322851)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード滑脳症 / カルパイン 阻害薬 / LIS1 / 神経細胞遊走 / 細胞内物質輸送 / 細胞質ダイニン / 微小管モータータンパク質 / タンパク質分解酵素
研究概要

私たちは、先天性神経疾患である滑脳症の新治療薬のターゲットとして、その原因遺伝子LIS1に着目して研究を推進しており、LIS1がタンパク質分解酵素の1つであるカルパインによって分解されること、カルパイン阻害薬が滑脳症疾患モデル(LIS1ヘテロ欠損)マウスでみられる滑脳症(様)症状を個体レベルで改善させることを独自に発見した。現状に於いて、ヒト滑脳症に対する根本的な治療法は未だ確立していないことから、カルパイン阻害薬の滑脳症治療薬として治験・実用化に向けての開発は重要性が高く且つ喫緊の課題である。当該年度(平成24年度)の具体的な研究課題として、私たちがカルパイン阻害薬の薬剤一次スクリーニングとして確立した、滑脳症疾患モデル(LIS1ヘテロ欠損)マウス由来の小脳の顆粒細胞を用いた簡便且つ再現性の高いin vitroでの神経細胞遊走活性を指標に同定した(平成22-23年度)、新規カルパイン阻害薬SNJ1945の薬効(毒性)について細胞、組織、個体の各レベルでの詳細なる検討を行った。その結果、SNJ1945は、LIS1ヘテロ欠損マウス由来の神経細胞に於いて、著しく低下していたLIS1タンパク質の発現量と遊走活性をほぼ正常レベルまで改善させることがわかった。さらに、SNLJ1945は、マウスの行動解析実験(RotaRodテスト、Gait analysisテスト等)の結果、滑脳症疾患モデルマウスに観られる運動失調、学習障害、鬱様行動等の行動異常を顕著に改善させることがわかった。さらに、SNJ1945は生体に於いて、脳―血液関門を通過することから妊娠中の母体への経口投与でその薬効が認められたのみならず、生後新生児への強制経口投与によっても滑脳症様症状の改善が確認できたこと、カルパインに対する特異性の高さによる低毒性からも、ヒト滑脳症治療薬の治験・実用化に向けてのますます期待が高まった。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Post-natal treatment by a blood-brain-barrier permeable calpain inhibitor, SNJ1945 rescued defective function in lissencephaly.2013

    • 著者名/発表者名
      Shiori Toba
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 3 ページ: -

    • DOI

      10.1038/srep01224

    • 査読あり
  • [雑誌論文] LIS1による細胞内ロジスティクスと滑脳症発症メカニズム2013

    • 著者名/発表者名
      山田雅巳
    • 雑誌名

      新学術領域研究・細胞内ロジスティクス班・ ニュースレター

      巻: 3 ページ: 3-7

  • [学会発表] 低分子量GTPase Rab6Aによる細胞質ダイニンの活性化メカニズムの解析

    • 著者名/発表者名
      山田雅巳
    • 学会等名
      第35回 日本分子生物学会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡
  • [学会発表] 低分子量GTPase Rab6Aによる細胞質ダイニンの活性化メカニズムの解析

    • 著者名/発表者名
      山田雅巳
    • 学会等名
      第85回 日本生化学会大会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡
  • [学会発表] LIS1による細胞内ロジスティクスと滑脳症発症の関係

    • 著者名/発表者名
      山田雅巳
    • 学会等名
      第4回 新学術領域研究「細胞内ロジスティックス」班会議
    • 発表場所
      仙台市太白区秋保町秋保温泉岩沼屋
  • [産業財産権] 神経細胞の遊走障害を伴う 疾患の判別方法2013

    • 発明者名
      山田雅巳
    • 権利者名
      大阪市立大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      PIU-15052
    • 出願年月日
      2013-02-05

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公開日: 2014-07-24  

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