研究課題
*胆管系と膵管系は、発生学的にほぼ同じ時期に前腸系より派生する。これが、ヒトの胆道系疾患の発生の疾患理解になりうる可能性を検討した。特に、胎生期の胆管では膵形成促進転写因子であるPDX1 (Pancreatic and duodenal homeobox 1)が発現するが、出生と伴にPDX1の発現が低下し、逆に膵形成抑制因子であるHES1(Hairy and enhancer of split 1)の発現が胆管上皮に発現した。*胆管癌と胆管癌は肉眼病理像、組織像が類似している。また、膵形成促進の転写因子であるPDX1の発現が、胆管癌でしばしばみられた。胆管癌の前癌病変である上皮内腫瘍性病変(biliary intraepithelial neoplasm,BilIN)では、BilINの異型度の進展とともに、PDX1の発現が増強した。この現象は、膵癌の前癌病変であるPanIN(pancreatic intraepithelial neoplasm)でも同様にみられた。*進行型の肝門部胆管癌と進行型膵癌では、その組織像が類似している。PDX1を発現する例は、類似の予後を示し、膵管と胆管に由来する癌は、類似した生物学的態度を示した。なお、末梢型胆管癌や混合型肝癌の胆管癌成分では、PDX1の発現は低率で、肝門型胆管癌とは生物学的態度が異なっており、その発癌機序が異なる可能性が示唆された。*胆管内に発生する乳頭状腫瘍と主膵管内に発生する乳頭状腫瘍は、形態像や形質像が類似することは、以前から報告している。今年度はさらに、胆管周囲付属腺に発生する嚢胞性乳頭状腫瘍と膵の分枝型の乳頭状腫瘍が類似することを明らかにした。いずれも、胃型の粘液形質を発現し、一部は癌化することが示された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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