研究課題/領域番号 |
22390077
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 秀人 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 教授 (90240514)
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キーワード | プロテオグリカン / バーシカン / コンドロイチン硫酸 / ノックアウトマウス / 創傷治癒 / グリコサミノグリカン |
研究概要 |
細胞外マトリックスの構築と機能の中心的役割を担うと推測されるプロテオグリカン、バーシカン(versican、Vcan)の生体内機能を、同分子のコンディショナルノックアウトマウスを用いて解析してきた。産出数の極めて少ないCAG-CreER:Vcan<flox/flox>系を諦めて新たに導入したCre酵素発現アデノウイルス(Ad-Cre)感染系は問題なく確立できた。現在骨折治癒、創傷治癒等、種々の病態モデルマウス系でVcan欠失による病態変化の有無を検討中である。 立案した病態マウスモデル系のうち発がんマウスモデルはがん発生率が低いことが判明し、実験マウス群の調製に長期間を要すると推測された。そこでB6系マウスに移植可能な主要細胞株を用いて腫瘍移植実験を行うことに計画を変更した(23年度繰越し申請の理由)。鳥取大学医学部・岡田太教授より線維肉腫細胞株QRsPの供与を受け、同教授との共同研究で同細胞の移植実験を遂行している。またVcan欠失に対するin vivoのレスキュー実験としてVcan V3バリアントやタンパク質分解酵素抵抗性バーシカンV1バリアントの発現ベクターを作製し、発現を確認した。本ベクターを一部改変し、Cre酵素発現下にてこれらの遺伝子が発現する系の確立を目指している。 当該期間中に関連研究として、「心中隔形成におけるVcanの役割」ならびに「コンドロイチン硫酸合成に関わる糖転移酵素の性状解析」に関する研究成果を報告することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた発がんモデルマウスの実験系は断念したが、Cre酵素発現アデノウイルスによる局所Vcan発現欠失系は問題なく樹立でき、腫瘍移植実験も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
腫瘍移植実験を大々的に展開し、腫瘍増殖におけるVcanの作用機構に関して関与するシグナル伝達系を明らかにしていく。
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